「文在寅(ムン・ジェイン)大統領が完全に安倍(日本首相)のようになりつつある」
チョン・セヒョン元統一部長官が7日夕方、北朝鮮の6回目の核実験前後に強硬になった文在寅政府の北朝鮮に対する対応基調を強く批判した。最近、南北関係の専門家の間で、文大統領の対北朝鮮強硬基調に対する批判が高まる中、代表的な南北関係の元老の一人であるチョン元長官の直説的な「苦言」に注目が集まっている。
この日、世宗文化会館で朝鮮半島平和フォーラムが主催した月例討論会「文在寅政府、南北関係の硬直をどう乗り越えていくのか」に発表者として登壇したチョン元長官は、6日の韓ロ首脳会談で文大統領がプーチン・ロシア大統領に「北朝鮮向け原油の供給中断」など国際社会の対北朝鮮制裁に参加することを要求したことに対して、このように批判した。チョン元長官は「日本でもない韓国の外交部が、国連の北朝鮮制裁を先導してどうするのか」とし、「私たちは中道だけをたどればいい」と付け加えた。
チョン元長官はまた、「北朝鮮の一挙手一投足に対して、大統領が直接“tit for tat”(売り言葉に買い言葉)式に超強硬な指示を下す姿勢は実に見苦しい」とし、「このまま放っておけば、南北対話は帰らざる橋を渡ってしまう」と指摘した。最近、北朝鮮の核・ミサイル実験後、国家安全保障会議(NSC)で文大統領が下した指示が公開されたことについても「大統領周辺の人々が非常に間違っている。なぜ大統領をそのように第一線に立てるのか」と批判した。
チョン元長官は、金大中(キム・デジュン)・盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府で統一部長官を務め、昨年の大統領選挙では文在寅キャンプの外部諮問組織である「10年の力委員会」共同委員長を務めている。