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「大統領の側近」の全面配置で米中日との外交懸案解決に乗り出す

登録:2017-08-31 03:22 修正:2017-08-31 06:58
米中日大使に「大統領最側近」を内定 
3人とも専門外交官ではなく 
大統領の哲学熟知した人物 
懸案解決により適しているとの判断 
「外交界」では専門的能力を疑問視する声も 
 
チョ米大使内定者、文大統領支持する学者グループの座長 
ノ中国大使内定者、文大統領の秘書室長務めた3選議員 
イ日本大使内定者、盧武鉉政権の北東アジア委員長
左からチョ・ユンジェ教授、ノ・ヨンミン元議員、イ・スフン教授//ハンギョレ新聞社

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が30日、KAIST(韓国科学技術院)金融専門大学院のチョ・ユンジェ招聘教授やノ・ヨンミン元議員、慶南大学国際関係学科のイ・スフン教授をそれぞれ米国や中国、日本駐在大使に内定したことによって、朝鮮半島周辺の4カ国の大使人選が詰めの段階に差し掛かっている。複数の人物を対象にして最終的な検証作業を行っている駐ロシア大使も近いうちに内定する予定だ。

 米中日大使内定者3人とも専門外交官ではないという点が最も目を引く。チョ・ユンジェ駐米大使内定者は、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代、駐英大使を務めた経歴があるが、専門外交官と言うにはやや無理がある。駐中大使と駐日大使に抜擢されたノ・ヨンミン、イ・スフン内定者は、外交的経験が全くない。北朝鮮の相次ぐ核・ミサイル挑発で周辺諸国との外交がいつになく重要になった時点で、就任後112日間悩んだ末に出した文大統領の今回の人選の背景に注目が集まるのも、そのためだ。

 3人に共通するキーワードは「大統領の最側近」ということだ。チョ・ユンジェ駐米大使内定者は、大統領選挙当時、文大統領のシンクタンクである「政策空間国民成長」の所長を務めており、ノ・ヨンミン駐中大使内定者は選挙対策委員会の組織本部長を務めた“キャンプ出身”だ。イ・スフン駐日大使内定者も大統領選挙キャンプの「国民成長委員会」の外交安保分科諮問委員を、文大統領当選後には引継ぎ委員会に当たる国政企画諮問委員会の外交安保分科委員を経て、委員長を務めた。

 大統領府のある関係者は「4大国の大使は特に重要で、様々な大きな懸案が絡み合っているため、大統領の国政哲学と信念を最もよく理解している部分も外交的専門性とともに重要な側面」だと話した。彼らのように過去に盧武鉉政権時代や国会で文大統領と一緒に働いた経験を持ち、大統領選陣営に参加して文大統領の国政哲学と外交・安保に関する認識を共有していることが、職業外交官の専門性同様、難題を解決するのに重要だということだ。

 実際、大統領府関係者は北朝鮮の核・ミサイル問題など韓米間に山積した外交懸案を解決するのに、チョ・ユンジェ内定者が適任者なのかを疑問視する声に対し、「北朝鮮核問題を解決するのに必ずしも核問題専門家である必要はない」としたうえで、「外交的交渉力を備えていれば十分で、北朝鮮の核問題もそのような交渉経験に基づき、うまく解決すると考えている」と話した。しかし、北朝鮮核・ミサイル問題解決に核心的な役割を果たさなければならない駐米大使に、安保問題の経験がないチョ内定者を抜擢したことに対する懸念も依然としてある。

 大統領府は、イ・スフン内定者についても盧武鉉政権時代に北東アジア時代委員長を務め、日本の学界などとあまねく人脈を築いたことなどを強みとして挙げている。日本慶応大学招聘教授としてサバティカルを過ごし、外交・安保専門家たちと交流したという。しかし、過去事問題など韓日関係の懸案と関連しては、これといった経験がなく、“専門性”とはかけ離れた人選ではないかという指摘もある。

 大統領府はノ・ヨンミン内定者についても、国会議員として3期を務めた経歴に加え、2012年大統領選挙当時、文候補の秘書室長を引き受けるほど文大統領と近く、重量感のある政治家を大使に内定したこと自体が中国に対する配慮の面があるとし、韓中の懸案を解決できると期待する雰囲気だ。しかし、高高度防衛ミサイル(THAAD)問題に対して中国側が頑なな態度を取っており、大統領の側近といえどもノ内定者にできることが多くないだろうという懐疑論も少なくない。

キム・ボヒョプ、チョン・インファン、キム・ジウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/809019.html 韓国語原文入力:2017-08-30 22:31
訳H.J(1910字)

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