第24回ASEAN地域フォーラム(ARF、以下フォーラム)に出席するためにフィリピンを訪問している南北の外相が6日夕方、ぎこちない初顔合わせを行った。カン・ギョンファ外交部長官は、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の「ベルリン構想」の後続措置に対する反応を求めたが、リ・ヨンホ北朝鮮外務相は「提案」の真摯さに疑問を提起した。
カン長官とリ外務相は、同日夜、マニラの「モール・オブ・アジア・アリーナ」で開かれたフォーラム「ガラディナー」(歓迎晩餐会)の待合室で遭遇した。カン長官は7日、昼食を兼ねた韓米日外相会談が終了した後、このような状況を記者団に伝えた。カン長官は「短い時間だったが、具体的に(政府が北朝鮮に)二つを提案した状況なので、これに対して積極的に応じて欲しいというメッセージを伝えた」と明らかにした。「二つの提案」とは文在寅政権が「ベルリン構想」の後続措置として、先月、北朝鮮に提案した軍事当局会談と赤十字会談を指す。
これに対し、リ外相は「南側が米国と協力して(北朝鮮に)圧力を加えている状況で、このようなこと(北朝鮮に対する会談の提案)は真摯さに欠ける」いう趣旨で反応したと、カン長官が伝えた。カン長官は「この二つは急がれており、いかなる政治的事案にかかわらず、直ちに施行すべき事案であるため、積極的に応じてほしいと話した」と説明した。晩餐会を待っている間に遭遇し、握手で始まった両長官の初顔合わせは3分で終わった。
リ外相の発言は、政府が北朝鮮側から会談の提案に対して直接聞いた最初の反応と言える。これまで北朝鮮は、メディア論評などを通じて文在寅政権のベルリンの構想と対話提案に否定的な立場を示してきた。リ外相が文在寅政権の対北朝鮮提案と関連し、真摯さを問題視しただけに、当分、北朝鮮が会談の提案を受け入れる可能性は低いとみられる。