最低賃金上昇に伴う零細事業体の賃金負担率が、大企業に比べて最大16倍も高いという調査結果が出た。最低賃金の影響が集中する業種の特性を考慮した細密な政策的支援の必要性が指摘されている。
19日、オ・サンボン韓国労働研究院研究委員が発行した「最低賃金の引き上げの影響および補完対策」によると、来年の最低賃金が今年より15%高くなった場合、4人以下の事業所の人件費の追加負担は300人以上の大企業より16倍も高いことが分かった。最低賃金の急激な引き上げによる人件費負担の増加が、事業所別にかなり異なっているのだ。同報告書は来年、最低賃金の引き上げ率が最近5年間(2013~2017年)の引き上げ率の平均値(7.42%)より高い15%と策定された場合、人件費負担が事業規模、業種別にどれだけ増えるか推算したものだ。
来年の最低賃金が15%引き上げられた場合、人件費負担は平均0.8%ポイントさらに増えるものと分析された。しかし、大手企業と零細企業や業種別に大きく異なることが分かった。4人以下の事業所の場合、人件費の追加負担は2.25%ポイント増加し、300人以上の大企業(0.14%)より16倍も高かった。業種別に見ると、飲食・宿泊は4.35%ポイント増加して人件費の負担が最も多く増えており、芸術・スポーツ・レジャー(3.68%)や保健・福祉(3.63%)、不動産・賃貸(3.53%)が後を継いだ。
今月15日、来年の最低賃金が時給6470ウォン(約644円)から1060ウォン(16.4%)上がった7530ウォン(約750円)に決定された。文在寅(ムン・ジェイン)政権の目標どおり、2020年まで最低賃金1万ウォン(約996円)を達成するためには、毎年15%以上引き上げられなければならない。
オ・サンボン研究委員は報告書で「最低賃金の影響が大きい部門を類型化し、細密な支援対策を講じなければならない」と提言した。小商工人と自営業者の多い飲食業・小売業には社会保険料やテナント料、クレジットカードの手数料の軽減が、保健・福祉業の場合には保育と療養に対する報酬体系の改善と社会サービス公団の設置が必要だと指摘した。また、フランチャイズが集中している部門は不公正取引行為の監督と収入の保障が、製造業と建設業には下請納入単価の調整が対策に含まれるべきだと付け加えた。