不公正取引で1兆ウォン(1千億円)台の課徴金を賦課された米国の情報技術(IT)企業クァルコムと公正取引委員会が、是正命令をめぐり法廷攻防を始めた。
ソウル高裁行政7部(裁判長ユン・ソンウォン)は14日、クァルコムが公取委を相手に「裁判所の判決が下されるまで是正命令の効力を中断してほしい」として起こした効力停止申請事件の公開審問を開いた。公取委はクァルコムがモデムチップセットの供給を口実にサムスン電子、LGなど携帯電話メーカーに自社の移動通信標準技術と関連する特許ライセンス契約を結ぶよう強要し、逆に携帯電話メーカーの特許は無償で受け取るなどの不当な契約を結んだと判断した。これに対し公取委は2016年12月、史上最大の1兆300億ウォン(約1300億円)の課徴金と不当な契約条件強要を禁止するなどの是正命令を下した。だが、クァルコムは今年2月、公取委を相手に課徴金と是正命令処分取消訴訟を起こし、この訴訟の宣告時まで是正命令の効力停止申請もした。
この日クァルコム側の代理人は「本件是正命令は、申請人の事業構造をすべて変えろという内容」とし「全面的で過激な是正命令は、一度施行されれば取り返しがつかず、それ自体回復不可能になる」と主張した。これに対して公取委側の代理人は、クァルコムの行為は公正取引法の市場支配的地位の乱用行為であり、不公正取引行為なので是正命令による被害は損失ではないと見て「経済を生かし関連産業と消費者を考えてほしい」と主張した。効力停止申請事件には関連企業のサムスン電子、アップルも参加している。