「財閥改革の伝導師」キム・サンジョ公正取引委員会委員長候補者が、加盟店・代理店問題など路地商圏の問題に優先的に取り組むと明らかにした。キム・サンジョ候補者は「公取委が本当に行政力を総動員して集中しなければならない部分は、路地商圏など多くの自営業者や庶民の暮らしに必要な要素」として「路地商圏の問題は、きわめて多くの利害関係者がいるので意欲が先んじて誤った決定を下すことなく、正確な実態把握をしながらアプローチする」と話した。
キム候補者は18日、ソウル公正取引調整院で記者懇談会を開き、就任の所感と計画を明らかにした。彼は「今後、公式に就任することになれば、序盤に集中したいのは加盟店・代理店問題、民生の重要な部分から取り組みたい」として「久しく考えてきた財閥改革は、国会とよく協議して結論を導き出す方向が良く、路地商圏問題は政策的に重要な事実確認から実施する」と話した。
彼は公取委員長の指名提案を受け入れたことについて「誇張になるかもしれないが、財閥改革の目標が文在寅(ムン・ジェイン)大統領と完ぺきに一致した」ためだと説明した。財閥改革はそれ自体が目標ではなく、経済力の集中と不健全な支配構造で市場の公正な秩序を壊した財閥を改革し、韓国経済に活力を再び呼び起こし、国民により多くの働き口を作る経済生態系を構築することが普段の自身の考えだと述べた。
キム候補者は「10大グループがさらに発展しなければならないが、10大グループの成長だけでは韓国の国民皆に満足な働き口や所得を提供できない」と診断し「財閥改革が経済民主化の出発点ならば、経済民主化の本領は下請・中小企業・非正社員・零細自営業者の暮らしを改善すること」と話した。
キム候補者はそのために4大財閥改革にまず集中すると話した。「30大グループの資産のうち、4大グループが半分を占めて、親族グループを含む汎4大グループが3分の2を占める。30大グループより上位グループに集中し、厳格に法を適用することこそ(財閥改革が)持続可能だ。大統領もこれを全面的に受け入れた」。キム候補者は「4大グループに集中するという大統領の言葉は、韓国経済にとって重要な部分を占めるこれらに『法を守れ』ということであり、一歩進んで韓国社会と市場が期待するところをよく勘案し判断を下すよう願うという信号を送ったもの」と説明した。また「以前より右クリック(保守化)したという評価がある」という質問には「絶対に柔らかくなっていないということを見せる」と意志を明らかにした。
キム候補者は懇談会で終始一貫して20年に及ぶ市民団体活動を経て持つに至った考えをわだかまりなく解きほぐした。公取委に企業集団局を“復活”させる構想も明らかにした。キム候補者は「公取委が(不公正行為を判断する時)競争制限性、消費者の厚生に対する侵害を正確に立証しなければ、たとえ課徴金を賦課しても後で裁判所に行って敗れる。今後、グローバル事件も多くなるだろうが経済分析と調査機能を育てる新たな組織を作る」と話した。
さらに「保守政権の間、公取委の職員が大きく低迷したようだ。実務者の士気も引き上げる」と話した。公取委は「企業フレンドリー政策」を前面に出した李明博政権時から活動が萎縮したという評価を受けもした。「朴槿恵(パク・クネ)-チェ・スンシル国政壟断事態」時には、大統領府などの圧力で公取委がサムスンに有利な結論を下した情況を、特検が圧力を受けた公取委職員が残したメモを通じて把握したこともあった。
一方、キム候補者は公約事項の専属告発権の廃止を実現するためには、組織をうまく育てなければならない。専属告発権とは、公正取引法関連事件について公取委の告発がある場合にのみ検察が公訴提起できる制度だ。公取委は自身の役割が縮小される専属告発権の廃止に否定的な雰囲気だ。キム候補者は「行政規律と民事訴訟、検察が行う刑事規律まで調和を考慮して(専属告発権廃止の)範囲と内容を考える」と話した。