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文大統領「北朝鮮のミサイル防御するため韓国軍独自体制の早期構築を」

登録:2017-06-14 03:38 修正:2017-06-14 08:09
文在寅大統領が今月13日午後、ソウル龍山区の韓米連合司令部を訪問し、ビンセント・ブルックス韓米連合司令官(右端)、イム・ホヨン韓米連合司令部副指令官(右から2番)、ハン・ミング国防部長官(左)の案内を受けている=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は13日、ソウル龍山(ヨンサン)の韓米連合司令部を訪問し、韓米同盟の重要性と北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対する連合防衛体制の確立を強調した。文大統領が連合軍司令部を訪問したのは就任後初めてだ。

 連合司令部を訪れた文大統領は昨年8日、北朝鮮の地対艦巡航ミサイル試験発射直後、国家安全保障会議(NSC)を直接主宰した事実を言及し、「それだけ北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対して深刻に受け止めている」としたうえで、「現時点での北朝鮮の通常(兵器による)挑発だけでなく、北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対する抑制防衛態勢を確実に構築すべきだ」と述べた。文大統領は「現在、朝鮮半島の安保状況は過去のどの時期よりも厳しい」としたうえで、「(北朝鮮が試験発射した)、新型地対艦巡航ミサイルは、韓米海軍に直接的な脅威になるため、特に注目していかなければならない」と強調した。

 文大統領のこのような発言は、最近THAAD(高高度防衛ミサイル)の敷地に対する環境アセスメント(影響評価)の指示などで、在韓米軍が強く要求してきた「THAAD年内配備」が物理的に厳しくなった状況で行われた点で注目される。北朝鮮の核・ミサイルの防御に対する強い意志を示すことによって、THAAD配備合意に対する新政府の履行意志を疑う在韓米軍側を安心させるためと見られる。ただ、文大統領は、マスコミに公開された発言ではTHAAD問題に言及せず、「韓米同盟をさらに強化する一方、連合準備態勢を堅固に維持する中、北朝鮮核・ミサイルに防御に備えた韓国型三軸体系を早期に構築できるように努力する」と述べるにとどまった。北朝鮮の核・ミサイルに備えた「韓国型三軸体系」は、韓国型ミサイル防衛システム(KAMD)とキルチェーン、大量報復を組み合わせた韓国軍独自の防御体系だ。

 文大統領は、両国間の軍事懸案については沈黙する一方、「韓米同盟」と関連しては賛辞を並べることでその重要性を強調した。文大統領は「韓米同盟は6・25戦争後60年以上、北朝鮮の侵略を成功的に抑制してきたのはもとより、朝鮮半島の平和と安定を維持し、大韓民国が享受している民主主義と経済成長の礎となった」とし、「韓米同盟は軍事安保から社会・文化・経済・社会など多様な分野の包括的戦略同盟に発展途上にある」と評価した。

 「ウィ・ゴー・トゥギャザー」(We Go Together)を先唱する文大統領に対し、連合司令部の関係者は「一緒に行きましょう」と答えた。ビンセント・ブルックス韓米連合司令官は「緊張が高まっているこの時期に、韓国の兄弟たちと調和をなすことがいつにも増して重要だ」としたうえで、「米国と大韓民国の間の特別な関係は私たちの祖父らが成し遂げたもので、未来にどんなことが起きようと、私たちは彼らの確固不動の献身を忘れないだろう」と話した。連合軍司令部の訪問にはハン・ミング国防長官、チョン・ウィヨン大統領府国家安保室長が同行した。

 一方、文大統領は10日に議政府(ウィジョンブ)体育館で開かれた米2師団創設100周年記念コンサートが行事に対する否定的世論に圧迫を感じた出演者の参加拒否で支障が生じたことと関連し、遺憾を表明したと、ユン・ヨンチャン大統領府国民疎通首席秘書官が伝えた。ユン首席は「文大統領が『米2師団は朝鮮戦争当時投入された米軍の最初の部隊で、来年部隊移転を控え感謝と歓送の気持ちで用意された行事が、また他の事由で予定通り行われず残念だ。残念な事態だが、朝鮮半島の平和政策に向けた米国との友好的関係は継続しなければならない』と述べた」と明らかにした。

イ・セヨン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/798700.html 韓国語原文入力:2017-06-14 01:59
訳H.J

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