国民は文在寅(ムン・ジェイン)政権が社会の統合のために至急に解消しなければならない課題として「貧富葛藤」を挙げた。新政府が作らなければならない社会像としては、税金を多く納めても各種のリスクに国家が責任を負う「重負担重福祉社会」を圧倒的に支持した。政府は貧富格差解消のために積極的に取り組むべきで、福祉国家建設のために増税を通した財源準備が必要だという世論が確認されたわけだ。
14日、ハンギョレが創刊29周年をむかえて韓国リサーチに依頼し、12~13日に全国成人男女1000人に「社会統合のために葛藤解消が最も急がれる分野」を尋ねた結果、回答者の35.9%が「貧富葛藤」を挙げた。次いで「理念葛藤」(19.5%)、「政党葛藤」(14.7%)、「世代葛藤」(13.6%)、「地域葛藤」(11.5%)の順であった。
貧富葛藤の解消を最も急ぐべきという回答は、世代と階層を問わず高く現れた。年齢別には20代(43.0%)と30代(43.6%)、居住地別にはソウル(42.1%)、19代大統領選挙の投票指向別には、正義党の沈相ジョン(シム・サンジョン)候補に投票した人(54.7%)、月平均所得別には月500~700万ウォン(約50~70万円)を稼ぐ人(41.1%)で最も高かった。ただし60歳以上の年齢帯では、理念葛藤の解消が至急必要という応答(24.9%)が貧富葛藤(23.7%)より高く現われた。自由韓国党の洪準杓(ホン・ジュンピョ)候補投票層でも理念葛藤(30.9%)を貧富葛藤(23.1%)より深刻に感じていた。
新政府が実現すべき社会像としては、回答者の圧倒的多数である70.5%が「税金を多く納めても国家が各種のリスクに対して社会保障などを通して責任を全うする社会」(重負担重福祉)を挙げた。「税金をあまり納めない代わりにリスクに対して個人の責任が重い社会」(低負担低福祉)を選んだ人は24.1%に過ぎず、5.4%は答えなかった。
ソウル女子大のキム・ジンソク教授(社会福祉学)は「不平等解消のための政策は、すべて大規模な財政が必要」として「政権の序盤期、国民の支持が高い時に最大限早く具体的な実行計画と財源対策を出し、積極的に国民の同意を求めなければならない」と助言した。仁荷大のユン・ホンシク教授(社会福祉学)も「韓国社会の根本問題を解決するには、増税に対する前向きな計画がなければならない」と話した。
国民が願う改革1順位は検察改革(31%)、2順位には政治制度改革(21.3%)が挙げられた。検察改革は20代と40代、高卒以上の学歴層で高く現れ、政治制度改革は50代以上の中壮年層、中卒以下の低学歴層で相対的に高く現れた。次いで財閥改革(12.7%)、マスコミ改革(11.8%)、教育改革(9.8%)、官僚改革(8.3%)が後に続いた。
今回の調査は有無線電話任意かけ(RDD)方式で行われ、95%信頼水準で標本誤差は±3.1%pだ。