ライバル候補の政党に人共旗(人民共和国旗=北朝鮮の国旗)を表示した自由韓国党広報物は違法だという選挙管理委員会の決定が出た。選管委は、広報物を作ってオンラインに掲示した自由韓国党の関係者らを調査する一方、すでにオンラインに広がった広報物を削除している。
慶尚南道選挙管理委員会は4日「自由韓国党がいわゆる『人共旗広報物』を作り、オンラインに流したものは、虚偽事実の流布に該当するとの結論を下した」として、「問題の広報物を作り、オンラインに流した自由韓国党関係者たちを呼び、この広報物を作った意図を調査している。9日の大統領選挙前に調査を終わらせ、その結果を発表する方針」だと明らかにした。慶尚南道道選管委はまた、「問題の広報物がソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)など、オンラインで急速に広がっているため、すべてのオンライン掲示物にコメントをつけて違法広報物であることを知らせると共に、削除を要請している。また、カカオトークなど国内のSNS会社に問題の広報物を一括削除することを要請した」と付け加えた。
問題の広報物は、今月2日「自由韓国党慶尚南道支部デジタル政党委員会」がオンラインに掲載したもので、4日と5日に行われる大統領選挙の事前投票で洪準杓(ホン・ジュンピョ)候補を支持してほしいという内容を盛り込んでいる。広報物は投票用紙の形になっているが、候補たちの所属政党の代わりに国旗が表示されている。しかし、洪候補の政党には太極旗(韓国国旗)が描かれている一方、1番と3番の候補の政党には、北朝鮮の国旗である人共旗が描かれている。1番と3番の候補は「親北朝鮮勢力」という印象を与えるもので、オンライン上に広まったこの広報物に対し、色分け論を前面に出した攻勢の中止を求める批判が相次いだ。
これに対し、自由韓国党の慶尚南道党は「自由韓国党の慶尚南道支部デジタル政党委員会が作成してオンラインに掲示したのは事実だが、問題があると自主的に判断し、我々が掲載したものは3日にすべて削除した」と釈明した。