本文に移動

[社説]人共旗まで動員する“洪準杓式保守”の暴走

登録:2017-05-04 04:04 修正:2017-05-04 08:51
自由韓国党がオンラインに流した大統領選挙広報物。1番と3番の候補の政党を北朝鮮の人共旗で表示し、色分け論を展開しているとの批判を受けている//ハンギョレ新聞社

 自由韓国党がライバル候補の党名の代わりに人共旗(人民共和国旗=北朝鮮の国旗)を描いたオンライン広報物を流布した事実が明らかになった。慶尚南道選挙管理委員会は3日「共に民主党と国民の党に党名の代わりに北朝鮮国旗を表示した自由韓国党の選挙広報物がソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を通じて急速に広がって、全国的な流布の実態を調査している」と発表した。選管委が摘発した広報物によると、記号2番(通常国会議員数が多い順で決まる)洪準杓(ホン・ジュンピョ)候補の党名が入る位置には太極旗(韓国の国旗)が描かれている一方、記号1番(文在寅)と記号3番(安哲秀)には党名の代わりに人共旗が描かれていたという。

 実に驚愕すべき出来事である。過去にも保守政党が色分け論を掲げたことはあったが、今回のように相手候補に人共旗を描きいれる常識外れな行動に出たのは初めてだ。文在寅(ムン・ジェイン)、安哲秀(アン・チョルス)候補に「北朝鮮候補」というレッテルを貼ったことに他ならない。保守のどん底まで露わにした朴槿恵(パク・クネ)政権の没落によって行われる選挙で、このような色分け論が登場するとは、誰も夢にも思わなかったはずだ。

 自由韓国党と洪準杓候補が無理な行動をする理由は、容易に推察できる。選挙を極端な理念対決に持ち込み、保守票の結集を狙うためだ。選挙序盤から、度を越した暴言と中傷宣伝を展開してきた洪候補は、攻勢が功を奏したと判断しているようだ。だからこそ、今度は人共旗まで動員してライバル候補を色付けし、政治的に許されない線をも越えているのだ。こうまでして起死回生しようとする極右・保守勢力の浅薄な素顔がそのまま表れている。さらに恐ろしいのは、そのような洪準杓候補の支持率が日増しに上昇し、もう2位の安哲秀候補(国民の党)と誤差範囲内での接戦を繰り広げているという事実だ。「保守の革新」を掲げた正しい政党の議員約10人もまた、「洪準杓支持」に転じた。韓国政治の悲劇的な一面と言わざるを得ない。

 鳥が両翼で空を飛ぶように、進歩と保守が共存するのは当たり前のことだ。共存のためには、相手を認め、疎通しようとする姿勢を持たなければならない。人共旗をめぐる波紋は、このような努力を否定し、時流に真っ向から逆らう態度だ。反対側に憎悪の烙印を押して排除した「極右保守政権」の末路を、朴槿恵前大統領ははっきり示した。自由韓国党と洪準杓候補は今、朴槿恵政権が歩んだ道をそのまま辿っている。そうやって時計を弾劾前に巻き戻せるとでも思っているのだろうか。今からでも国民を分裂させて票を集める行動を慎むべきだ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/793328.html 韓国語原文入力:2017-05-03 17:50
訳H.J(1239字)

関連記事