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[社説]“朴槿恵党”を復活させた洪準杓と脱党派の野合

登録:2017-05-02 22:47 修正:2017-05-03 07:32
正しい政党候補のホン・ムンピョ議員(真ん中)など13人の議員が2日午前、国会政論館で記者会見を開き、正しい政党からの離党と自由韓国党への入党を宣言している。=イ・ジョンウ先任記者//ハンギョレ新聞社

 正しい政党の議員13人が2日、集団離党し再び自由韓国党に戻ると宣言した。彼らは洪準杓(ホン・ジュンピョ)自由韓国党候補を支持するとして「重大な状況で保守の大統合を要求する国民の希望を無視することはできない」と明らかにした。彼らの離党により正しい政党は院内交渉団体の地位を失い、事実上分党の手順を踏むことになった。大統領選挙を1週間後に控えて、どうにかして保守を結集しようとする終盤の苦闘であるわけだが、種々の側面で韓国保守の顔に泥を塗る退行的政治形態に過ぎない。

 脱党派の自由韓国党への復党宣言は、選挙の時節なら当然に出没する名分なき渡り鳥政治家の行為に他ならない。“改革保守”を標榜し新しい党を作ったが、形勢が不利だからと臆面もなく元の“保守”政党に戻るということだ。彼らが朴槿恵(パク・クネ)前大統領の弾劾に同調し“親朴清算”を声高に叫び、党を作ったのがわずか100数日前のことだ。13人の離党議員は正しい政党の創党過程で最も早く手を挙げた人々であるというので、政治というのはこんなものだと思われてもしかたない。もっともらしい名分は掲げるものの、結局は選挙が終わって寒いところで苦労するよりは自分の席をでも確保しようというこざかしい策に過ぎない。

 さらに、彼らが推す人が洪準杓(ホン・ジュンピョ)候補だとはなんとも情けない。洪候補は選挙の過程で行き着くところまで行く“どん詰まり保守”の本領を見せた。正しい政党脱党派が掲げた革新とは距離が遠く、むしろ保守の退行を呼び起こした候補だ。洪候補は1日夜、議員たちに会った席で「男らしく一緒に行こう」と話した。政党を、群がって食い扶持を漁る組織暴力団のようなものだと考えているのではないかと思う。洪候補が低質な理念論争と妄言で票を集めているというが、彼の下品な態度は長い目で見れば保守の存立基盤を蚕食するだろう。

正しい政党中央党創党大会が行われた1月24日午後、ソウル市松坡区オリンピックホールで、キム・ムソン議員(中央)が所属議員、指導部とともにひざまずき「国民に捧げる謝罪文」を読んでいる=カン・チャングァン記者//ハンギョレ新聞社

 正しい政党脱党派の自由韓国党への合流で、大統領選挙局面がいわゆる“清算されなければならない政党”の復活につながる兆しを見せている点も憂慮される。数百万のろうそく市民が寒空に「積弊清算」を叫んだものの、その積弊の本山である政党が選挙の渦中に再び図体を膨らませている。洪候補は最近遊説で「洪準杓になれば朴槿恵が公正な裁判を受ける。公正に裁けば無罪になる」と露骨に朴前大統領に肩入れしている。親朴槿恵勢力、弾劾反対勢力の復活は、執権まではできなくとも大統領選挙以後の韓国政治に深刻な悪影響を呼び起こしかねない。朴槿恵追従勢力が強力な野党に位置すれば、多くの国民が望む新政権の改革作業は開始から暗礁にぶつかる可能性が大きい。

 洪準杓候補の浮上と正しい政党脱党派の白旗投降は、韓国保守の脆弱性を確実に示している。朴槿恵政権の破綻を見てもなお未練を捨てられず、絶えず過去に回帰しようとする保守政治勢力の浅はかさは嘆かわしいばかりだ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/793209.html 韓国語原文入力:2017-05-02 18:17
訳J.S(1309字)

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