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おっ!7.2%も支持候補が変わった…テレビ討論の“強力なパワー”

登録:2017-05-02 22:02 修正:2017-05-03 06:21
歴代の大統領選で最多回数を記録 
激論・スタンディング方式など注目 
本放送逃がしてもSNSで“視聴” 
沈相ジョン候補に「利益」、安哲秀候補に「損」
先月25日午後、高陽市の放送支援センターでJTBC・中央日報・韓国政治学会主催で開かれた大統領選候補招請討論会で(左から)洪準杓、安哲秀、沈相ジョン、文在寅、劉承ミン候補がポーズを取っている=国会写真記者団//ハンギョレ新聞社

 朴槿恵(パク・クネ)大統領の罷免で予定より繰り上げられた今回の大統領選挙で、放送局のテレビ討論の威力が確認されている。滑走路が短くなった早期大統領選挙で、候補者の力量と態度を一度に把握できる形式ではテレビ討論に勝るものがないからだ。

 過去の大統領選挙で有力政党は12月の大統領選挙を控え、その年の4月から9月の間に候補を選出したため、党内予備選挙期間まで考えれば候補はおよそ1年間国民による検証を受けた。しかし、今回の大統領選挙は党内選挙や本選まで2カ月以内で行われる非常に切迫した日程だ。ハンギョレ経済社会研究院の世論とデータセンターのハン・グィヨンセンター長は「以前は1年間候補者たちが討論もし、出版記念会も行いながら、有権者たちと対面する機会が多かった。テレビ討論もそのような機会の一つで、影響力も何分の1かであった」とし、「今回は大統領選挙が短距離競走のように進行され、他の機会が省略された状況で、過去よりテレビ討論の影響力が強まったと見なければならない」と話した。

 個性の強い候補たちが集まった多者構図の中で、法廷選挙期間(22日)内に6回も討論が行われたのも特異な点だ。1997年の大統領選挙以来、5年ごとに実施されたテレビ討論の回数は、選挙法が定めた最小値である3回だった。過去には事前に議題を与えて定められた枠組みの中で儀礼的に行われたが、今回は候補間の踏み込んだ討論を認めたり、スタンディング方式など多様な形でバリエーションを見せたのも、有権者たちの関心を引く要素だった。ハイライト映像はユーチューブで数十万回の視聴回数を記録し、SNSを通じて流通された。「本放送を死守」できなかった有権者たちにも、討論会の中心的な場面がそのまま伝わったのだ。

 韓国ギャラップが韓国地方新聞協会の依頼を受け4月30日と5月1日に実施した世論調査によると、回答者の55.7%が5回のテレビ討論を視聴し、7.2%がテレビ討論会を見て支持候補を変えたことが分かった(詳しい内容は中央選挙世論調査審議委員会のホームページ参考)。キム・チュンソク常務は「メディアではこの数値を見てテレビ討論の影響力は小さいと分析したが、一回のテレビ討論で7.2%が支持候補を変えたというのは並みならぬ数値」と評価した。

 今回の大統領選挙討論で最も利を得た人としては沈相ジョン(シム・サンジョン)正義党候補が挙げられる。パク・ウォンソク正義党選挙対策委公報団長は2日、ハンギョレTVの「ザ・政治」に出演し「沈候補の政治経歴は13年だが、テレビ討論前には認知度が50%にもならなかった」とし、「沈候補の広報効果で言えば、テレビ討論の広告効果はものすごいもの」と話した。キム・ヒョンジュン明智大学教授も「テレビ討論を除いては沈候補の支持率上昇を説明する方法がない」とし、「テレビ討論という媒体を通じて一貫性をもって信念と公約を示し、その影響で支持率が上がった」と分析した。

 一方、損した人は安哲秀(アン・チョルス)国民の党候補だ。安候補が見せた討論の態度の未熟さとともに、太陽政策・THAADなどの安保テーマやさまざまな政策であいまいさが露呈し、支持層の離脱をもたらしたということだ。キム・チュンソク韓国リサーチ常務は「支持層が多様で堅固でない安候補にとって、テレビ討論はチャンス要因でもあったしリスク要因でもあった」とし、「討論を通じて安候補に失望感が高まり、支持率が落ち込んだ」と話した。

キム・テギュ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )韓国語原文入力:2017-05-02 20:18
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/793220.html 訳M.C(1782字)

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