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文、THAAD配備の可能性初めて言及…安「THAAD右偏向」加速化

登録:2017-04-12 01:44 修正:2017-04-12 11:59
文在寅・安哲秀「THAAD」発言見てみると
THAAD配備と関連した文在寅・安哲秀候補の「発言の変化」//ハンギョレ新聞社

 朝鮮半島周辺の緊張が高まるにつれ、有力大統領選候補の「高高度防衛ミサイル(THAAD)配備」に関する立場にも微妙な変化が現れている。共に民主党の文在寅(ムン・ジェイン)候補は「次期政権に委ねて公論化過程を経るべきだ」という基調を維持しつつも、「北朝鮮が核による挑発を続けるなら、THAAD配備は避けられないかもしれない」と言及した。国民の党の安哲秀(アン・チョルス)候補は、「『THAAD配備反対』の党方針を変えるよう説得する」と宣言した。文在寅と安哲秀の間で、選択を留保している「中道保守」票を意識し、公約の基調を転換しているものと分析される。

 文在寅候補は11日、慶尚南道昌原市(チャンウォンシ)の昌原コンベンションセンターで開かれた「文在寅の慶尚南道ビジョン」記者会見直後、THAAD配備について「どちらかに立場を決めて次期政権に引き継がせようというわけではない」としたうえで「次期政権に決定を委ねれば、THAAD配備を一つの切り札として、北朝鮮の核問題解決に向けた様々な外交的カードとして使うこともできるということ」だと説明した。彼は「THAADは、北朝鮮の核に対する対応策の一つであり、それも防衛目的の武器」という点を強調し、「核の完全廃棄に対する北朝鮮の態度次第で(THAAD配備に対する立場が)変わってくる」と明らかにした。文候補は「北朝鮮が6回目の核実験などの核の挑発を続け、核を高度化していくなら、THAAD配備が避けられないかもしれない」と述べた。 また、「北朝鮮がさらなる挑発を中止し、核を凍結した中で完全な放棄に向けた交渉テーブルに座るなら、THAAD配備の決定を暫定的に保留することもあり得る。もし、北朝鮮が核を完全に廃棄すれば、THAAD配備は必要なくなるだろう」と付け加えた。「戦略的曖昧性」の基調を維持するものの、北朝鮮の態度によってはTHAAD配備もあり得るとの可能性を残したものだ。

文在寅、「戦略的曖昧性」を維持 
「北朝鮮の核凍結の際にはTHAAD保留」原則守り 
「核挑発続ける場合は配備を強行」明らかに 
「次期政権で公論化」基調は同じ 
 
安、THAAD賛成に180度立場を転換 
昨年は「国益に役立たない」と反対 
今年に入って「国家間合意の尊重」に転じ 
「THAAD反対の党方針を変える」と一歩踏み込む

 昨年7月、政府のTHAAD配備の発表に「原点から再検討」を要求した文候補は、米国とのTHAAD配備合意および実戦配備が始まってからは、「韓米間ですでに(THAAD配備に対する)合意が行なわれたことを簡単に取り消せるとは思わない」としながらも、「次期政権に委ねれば、国会批准を含めた公論化過程を経て、中国とロシアを説得する機会をもつこともできる」と強調してきた。これと関連して共に民主党のソン・ヨンギル中央選挙対策委員会総括本部長は、ハンギョレとの電話インタビューで「北朝鮮の核問題を解決するという強い意志を表明しただけで、立場が変わったわけではない」と話した。

 安哲秀候補の立場はさらに劇的な変化を遂げてきた。昨年7月「(THAAD配備は)総合的に国益に役立たない」とし、国民投票と国会批准などを要求した彼は「次期政権で国益を最優先に再検討」すると述べるなど、THAAD反対の立場を貫いてきた。しかし安候補は今年に入って「次期政権は国家間の合意を尊重しなければならない」として、THAAD配備の賛成に回った。特に、先週6日に開かれた寛勲討論会では「党内のさまざまな考えをまとめて説得し、党と一つの方向に進みたい」と明らかにした。THAAD配備反対の党方針を撤回するようにするということだ。

 安候補側は、このような立場の変化について「すでにTHAAD配備が始まり、中国からすでに多くの制裁を受けた」としたうえで、「これを元に戻して米国との関係悪化を招く必要はない。中国との問題は外交で解決しなければならない」と説明した。しかし、朴槿恵(パク・クネ)前大統領の弾劾事態を経て、“より所”を失った保守層を取り込むため、安候補が戦略的にTHAAD配備に対する立場を変えたという批判もある。

イ・ジョンエ、チェ・ヘジョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/790286.html 韓国語原文入力:2017-04-11 23:01
訳H.J(2901字)

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