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“弾劾放送事故”ケリー教授、「笑い提供できて幸せで感謝」

登録:2017-03-15 23:20 修正:2017-03-16 07:47
自室でBBC放送のインタビュー途中 
4歳の娘、歩行器の息子、いきなり“乱入” 
映像は数千万ビュー、話題沸騰 
 
ケリー教授「この日部屋の鍵をうっかりした」 
妻はシッター議論に毅然とした応答 
「多文化家族が増えたので認識変わるだろう」
ロバート・ケリー釜山大学政治外交学科教授とその家族が、釜山大学でインタビューを行っている=釜山大学提供//ハンギョレ新聞社

 「笑いを提供することができて、幸せでありがたいです」

 10日、釜山(プサン)の自宅で、憲法裁判所の朴槿恵(パク・クネ)前大統領罷免の判決と朝鮮半島状況について英国のBBC放送と生放送インタビューをしていた最中、開いていたドアのすき間から子どもたちが飛び入りするシーンがそのまま放送され有名になったロバート・ケリー釜山大学教授(45)は15日午後、釜山大学本館3階301号セミナー室で、取材陣との合同インタビューでこのように話した。

 彼は「放送事故が起こった後、もうメディアのインタビューはできないと思ったが、1時間も経たないうちに映像が作られ、BBC放送からインタビュー要請がまた来たことで有名になったことを知った」と話した。彼は最初は子どもたちが笑いものになると思って断ったが、「平凡な家族の姿を見せよう」という放送局の説得で映像の掲示を許可し、インタビュー映像はBBCのフェイスブックで14日現在までに8400万件、ユーチューブのアカウントでは1639万件のビュー件数を記録し、話題になった。

10日、BBCの生放送インタビュー画面キャプチャー//ハンギョレ新聞

 この日ケリー教授は、メディアからのインタビュー要請が殺到したが「これまで子どもたちと家族に対する心配のため出ることには慎重になっていた」と恐縮がった。この日のインタビューは国内外のメディアが釜山大学側に繰り返し要請して実現した。この日は国内外のメディアの熱い関心が再び確認された。BBCではシンガポールから職員を派遣して生放送を進行するなど、国内外の50人余りの取材陣が記者会見場を埋めた。ケリー教授はこの日、妻のキム・ジョンアさん(41)と娘のマリオン(ユナ・4)、息子のジェームズ(ユソク・生後8カ月)とともに記者会見に出席した。「放送事故」の時、黄色いセーターを着て小躍りしながら父親のそばに来たマリオンは、この日は口に飴をくわえて天真爛漫な姿で登場した。マリオンは記者会見の途中、マイクを握って「アー」など声を出し、再びひょうひょうと父親のインタビューを邪魔して取材陣の笑いを誘った。

 ケリー教授の妻のキム・ジョンア氏も余裕のある表情で答えた。彼女は「居間で娘と生放送を見ていたら、娘が父のところへ行って戻ってこないので驚いた。普通は部屋のドアの鍵がかかっていれば戻ってくるのに、とても当惑した。早く連れて出なければという思いで(二人の子どもを)慌てて引っ張りだした」と話した。ケリー教授は「自宅で外国メディアと映像インタビューをするときはスーツを着て部屋のドアに鍵をかけるが、この日は鍵をかけるのをうっかりした」と話した。彼は「その日娘は幼稚園で誕生日パーティーをしてとてもご機嫌だった」と話した。彼は生放送インタビュー当時、上衣はネクタイを締めジャケットを着たが、ズボンは楽なジーンズを履いていたため、自分が直接立ち上がって状況を収拾できなかったという。緊急速報を扱うときに最大限早く専門家インタビューをしなければならない放送局は、整頓されたスタジオではなく、専門家の自宅でテレビインタビューをしばしば行う。

 妻のキムさんは、放送事故のシーンを見た西欧人が自分をベビーシッターだとコメントを書き込んだことについて、アジア女性に対する典型的な偏見を示したという人種差別論争が繰り広げられたことに対して「そんな視線はたくさん受けてきて、もう慣れている。多文化家庭が多くなったので、認識が変わると思う」と、大したことではないように受け流した。ヨガ講師として働くキムさんは、釜山でケリー教授と出会い結婚した。

 ケリー教授は、朴前大統領の罷免後、韓国が進むべき方向を聞かれ「憲法と法によるという原則を守りさえすれば良い」と話した。彼は10日、インタビューで「弾劾手続き全体を最後までやり通した民主主義国家はほとんどないのに、韓国人は暴力や大きな混乱なくこれをやり遂げた。…これを民主主義の勝利と呼びたい」と言い、韓国の民主主義に対して高く評価した。

 ケリー教授がいきなりスターになり、釜山大学も有名になっている。彼が所属している釜山大学政治外交学科の事務室と釜山大学広報室にはインタビューを要請する電話が殺到している。

 ケリー教授の教え子たちも、有名になった師を誇りに思っているという。放送事故のシーンが出てから最初の授業があった14日、講義室に入ってきたケリー教授に学生たちは大きな拍手をしたという。15日のインタビュー現場でも、ケリー教授の教え子たちが出席し熱い拍手を送った。

 現在、副教授であるケリー教授は、1994年米国マイアミ大学で政治学修士号、2005年米オハイオ州立大学で政治学博士号を取得した。2008年から釜山大学政治外交学科で、米国政治論・米国外交政策論・国際関係懸案などを講義している。彼は英語以外にドイツ語、フランス語、ロシア語、ラテン語、古代ギリシャ語を駆使するという。

釜山/キム・グァンス記者、ファン・クムビ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/786676.html 韓国語原文入力:2017-03-15 22:01
訳M.C(2362字)

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