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ほのかな憐憫の情すらかき消してしまった“朴の退場”ショック

登録:2017-03-14 02:29 修正:2017-03-14 07:42
謝罪と統合メッセージ期待は粉々に…虚脱感に陥った市民たち 

「謝罪はできないとしても、不服従とは 
かすかな同情すら消えてしまった」 
「最後まで分裂を起こして去るとは」  
野党も一斉に「真実究明を」
12日夜、ソウル三成洞の自宅前に到着した朴槿恵前大統領が、親朴系政治家と支持者に挨拶している=キム・ギョンホ先任記者//ハンギョレ新聞社

 12日夕方、アン・ジフンさん(34)は朴槿惠(パク・クネ)前大統領が自宅に帰ってくる姿をテレビの生中継で見ていた。朴前大統領の個人史が彼にほのかな憐憫の情を抱かせていた。しかし、それもすぐに消えてしまった。アンさんは「自宅に到着して笑顔を浮かべているのを見て、寒気がした。ショックだった」と話した。アンさんは「自宅の前に親朴議員らが集まって、歓迎する姿を見ると、まるで任期を全うした大統領か、弾圧を受けている指導者であるかのようだった。かわいそうだという気持ちが消え去った」と語った。

 憲法裁判所の罷免判決から2日後に大統領府を出た朴前大統領に対し、せめての承服または統合メッセージを期待していた市民らはショックと虚脱感を隠せずにいる。選挙で選んだ大統領を罷免するため、国民が広場に集まらざる得ない状況を作った“国政壟断”に対する謝罪どころか、真っ向から“不服従”を宣言したからだ。

 チョン・ジヨンさん(56)は眠れない日々を送った。チョンさんは「『あんな人を大統領に選んで、タダ飯を食わせてきたのか、わが国の人たちはとても不幸だ』と思うと、夜も眠れなかった」と話した。チョンさんは「本人の言う通り、早いうちに真実を明らかにしてほしい。特検も最後まで捜査を進めることができなかった。自分が潔白だと思うなら、早く検察の捜査を受けるべきだ」と話した。

 一国の指導者だった彼女に最低限の責任感を期待していたパク・ソギョンさん(43)も、むなしさを隠せなかった。パクさんは「『大人ではない、小学生よりも幼い』と思った。数カ月間、社会が分裂して混乱を経験した。少なくとも国民に謝罪しなければならないのではないか」とし、「自分のせいで10日に亡くなった人もいるのに、許しを請うのが道理ではないか。最後までを分裂を引き起こす無責任な姿を見せた」と指摘した。パクさんは「犯罪者は皆自分が無実だと主張する。予定通り早く検察の取調べを受けて真実を明らかにしなければならない」と語った。

 同日、自由韓国党を除いた政界は「徹底した検察の捜査を通じて朴前大統領が述べた真実を究明しなければならない」と一斉に声をあげた。

 共に民主党の秋美愛(チュ・ミエ)代表は、最高委員会で「これからは朴前大統領は“民間人”であり、13件の疑いがある“被疑者”として検察の捜査に必ず応じ、“真実”を明らかにするのに協力すべきだ」とし、「検察もいかなる政治的、政務的な考慮もせず、即座に断固とした捜査を進めて、国民の前に真実を究明し、その罪を厳しく問わなければならない」と述べた。国民の党のチュ・スンヨン院内代表も、最高委員会で「真実は大統領府ではなく、検察が明らかにするもの」だとしたうえで、「朴前大統領が無実なら、すぐにでも検察の捜査に積極的に応じて真実を明らかにしなければならない」と話した。

 正しい政党のチョン・ビョングク前代表も「平和放送」のラジオインタビューで「朴前大統領の検察捜査は法律に従って進めなければならない」と明らかにした。正義党のシム・サンジョン代表も常務委員会で「検察は朴槿恵大統領を迅速に召喚して、口座追跡と大統領府の家宅捜索など、捜査に必要なあらゆる措置を取らなければならない」と強調した。自由韓国党のチョン・ウテク院内代表は、非常対策委会議で、検察捜査に対して直接的に言及せず、「弾劾事件を乗り越えて、国政の安定と国民統合に邁進する」と話した。

パク・スジン、オ・スンフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/786334.html 韓国語原文入力:2017-03-13 18:29
訳H.J(1677字)

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