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韓国の裁判所、警察による釜山日本総領事館近隣集会禁止にブレーキ

登録:2017-02-28 23:37 修正:2017-03-01 06:51
釜山地裁「三一節集会禁止の取消」仮処分申請を受け入れ 
市民団体「警察は集会が許容されることを知っていながら毎回不許可」批判
「少女像を守る釜山市民行動」が28日、釜山の日本領事館前の少女像近隣でユン・ビョンセ外交部長官の辞任を要求する記者会見を行い、解任状を掲げて見せている/聯合ニュース

 警察が裁判所の相次ぐ制動にもかかわらず、平和の少女像が設置された釜山東区の日本総領事館近隣での集会に禁止通告を乱発している。警察の警察権乱用に市民団体の反発が高まっている。

 釜山地裁行政2部(裁判長ハン・ヨンピョ)は11日、統一運動団体の「釜山民族は一つ」が釜山東部警察署長を相手に提起した屋外集会禁止通告処分取消仮処分申立てで「判決の宣告時まで(禁止通告の)効力を停止する」と決めたと28日明らかにした。「釜山民族は一つ」は10日、三一節の3月1日に日本総領事館近隣で集会を開いた後、日本総領事館を一周する街頭行進を行う集会を警察に申告したが、警察は集会の禁止を通告した。「釜山民族は一つ」は、裁判所に仮処分申立てを出し、裁判所は集会を許容すべきと判断した。

 警察は昨年12月30日、朴槿恵(パク・クネ)政権退陣釜山運動本部が西面(ソミョン)のジュディス大和ショッピングモールから日本総領事館付近までの行進を計画した時も禁止通告をした。また、4・11・18日に日本総領事館前の平和の少女像を守ろうとする舞踊家の公演集会も許可しなかった。また、警察は28日、日本総領事館から近い鄭撥将軍銅像付近で開く予定だった釜山東区の「三一万歳運動再現行事」も許可せず、東区は場所を変えて行事を行った。

 警察による毎度の集会禁止通告理由は同じだ。集会およびデモに関する法律により、集会場所が外交公館から100メートル以内という点、汚物投げ込みなど突出行動により外交機関の機能侵害の恐れがあるという点、日本総領事館からの施設保護要請事例があるという点だ。

 裁判所はこのような警察の判断は根拠が弱いと見ている。日本総領事館近隣で集会が開かれるが、大規模集会とデモにより外交機関の業務を妨害したり外交官を脅かした事例はなく、そうした憂慮はないということだ。また、集会場所が外交機関建物などを対象にしていない点、集会が開かれる日が休日である点を挙げて警察の禁止通告効力を停止し集会を許容している。

 市民団体は、警察が日本総領事館付近での集会に対する反復的で機械的な法適用により消耗的な軋轢を招来していると批判した。ある市民団体関係者は「裁判所が集会許可決定を下すことを知っていながら、警察が毎度不許可処分をすることは理解できない。警察が軋轢を助長している」と指摘した。また別の市民団体関係者は「少女像をめぐる韓日外交摩擦などを考慮して、外交部などから責任を回避しようとする警察の態度は分からないではないが、苦々しい」と話した。

キム・ヨンドン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/area/784521.html 韓国語原文入力:2017-02-28 15:33
訳J.S(1347字)

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