「学生の皆さんが厳しい経済状況の中で卒業して、多くの不安を感じていると思いますが、一人立ちしたことだけでも成功ではないかと思います。卒業を心からお祝い申し上げます」
16日午前、ソウル九老区の聖公会大学二千年記念館のジョン・デイリー・ホールで開かれた聖公会大学前期学位授与式で、この学校の警備労働者であるキム・チャンジン氏(73)が美化・警備労働者を代表して舞台に上がり祝辞を始めた。キム氏は卒業生に向かって「この頃、学生たちを取り巻く環境がとても厳しいと聞きますが、この厳しい時に一人立ちしたことだけでも成功だ。一人立ちから始めてじっくりと成果を積み上げていって欲しい」と祝いの挨拶をした。
この日、同大学の警備・美化労働者と彼らが所属するサービス会社の「青い環境コリア」の役職員23人は十匙一飯(多くの人が力を合わせること)で志を集めて「美しい同行学校発展基金」2000万ウォン(約200万円)を学校側に手渡した。キム氏は「聖公会大に勤めて17年になるが、学校から美化や警備・防護チームなど低いところで働く人々に人間的な配慮を多く受けた。(労働者が)全員65歳を過ぎているが、休息空間を用意するなど暖かく見守っていただきいつも感謝している」として「経済が厳しくなり学校も財政的に困難をきたしているようだ。『小さな気持ちを寄せ合って学校の役に立つことをしてはどうか』という話が出て基金を用意することになった」と説明した。イ・ジョング聖公会大総長は「今回の卒業式は、学校美化と警備を担当する方々によって一層意味ある席になった」と話した。