憲法裁判所の弾劾審判判決と特別検察官の第1次捜査期間満了日が近づくにつれ、大統領府とセヌリ党、大統領弾劾に反対する強硬保守勢力が、約束でもしたかのように反撃に乗り出している。激しく燃え上がる“ろうそく”の前に民心を謙虚に受け止めると言っていた彼らの態度は180度変わった。弾劾政局が終盤に差し掛かるにつれ、“最後の総力戦”を繰り広げている。
■看板変えたセヌリ、“ろうそく集会の民心”を歪曲
近いうちに自由韓国党に党名を変更する予定のセヌリ党は、前日に続き9日にも憲法裁に対する露骨な警告と“アスファルト保守”への求愛に余念がなかった。党名まで変えて、“刷新”に乗り出した理由が、朴大統領の失政にあったにもかからわず、もはや「朴大統領には非がない」という主張まで聞こえてくる。党内ではこのような発言に表立って反論する者はいない。
チョン・ウテク院内代表は同日、党非常対策委員会会議で「政界で解決しなければならない国政問題を弾劾・司法の領域に持ち込んだのは野党」と述べ、責任を野党に転嫁した。党内の大統領候補のキム・ムンス前京畿道知事はMBC(文化放送)ラジオに出演し、「大統領府に近接して大声を上げて、ギロチンを引きずって歩くような、過度な紅衛兵以上の残酷なことをする人たちを、ボルシェビキ革命でも、どこでも見たことがない」と主張し、ろうそく集会を中傷した。同日、国会で親朴系のユン・サンヒョン議員が主催した「太極旗の民心とは何か」討論会でも、「(弾劾審判は)非理性的な魔女狩りであると共に世論裁判であり、特検は胎生的に偏向している」(ソン・ボムギュ大統領側弾劾審判代理人)、「パク・ハンチョル憲裁所長のような人が、国家の機能不全をもたらしている」(イ・ノグン議員)などの強硬発言が溢れた。「太極旗集会」に批判的だったイン・ミョンジン非常対策委員長までも同日、新任の組織委員長の任命状授与式で、「土曜日になると、国が心配で太極旗を持って出かけるという友達の話を聞いて、胸が一杯になり、涙がこぼれた」と述べた。
“15%”の強硬保守に頼っている朴大統領とセヌリ党の攻勢は、それぞれの利害関係が合致した側面が大きい。与党のある元老は「セヌリ党は大統領選挙には関心がない。大統領選挙以降、保守の主導権を握ることが最優先であり、このためには当分の間、朴大統領を支持する「太極旗集会」勢力の支持が切実に必要な状況」だと話した。一時は朴大統領の離党などを検討したセヌリ党が再び朴大統領にしがみついているのも、結局、朴大統領の有する“15%”のためということだ。
■強硬保守団体の総力戦も予告
強硬保守団体の総力戦も予定されている。自由総連盟など保守団体は“100万人”を目標に掲げて3月1日に大規模な弾劾反対集会の開催を計画している。これまで大統領府が大企業からカネを受け取って支援してきたことが明らかになった父母連合や枯葉剤戦友会などの保守・極右性向の団体が多く参加している。憲法裁の判決が近づくにつれて、大々的な“集会動員”に乗り出したのだ。
同日、「朝鮮日報」などには「弾劾審判に関する法曹人の意見」という見出しの意見広告が掲載されるなど、世論戦も本格化した。憲法裁の判事出身など、元老法曹関係者9人の連名で載せられたこの広告には、「弾劾(訴追案の可決)が異常なほど拙速に処理された」とし、「朴大統領は憲法の原理や原則を否定したり反対した事実はない」などの主張が盛り込まれた。保守団体のメンバーたちは、このようなメッセージをカカオトークなどを通じて積極的に拡散しており、この他にもろうそく集会や憲法裁の決定、特検捜査の黒幕などに関する“未確認情報”も多数流れている。保守団体で構成された「大統領弾劾棄却に向けた国民総決起運動本部」もホームページを通じて「11日午後、ソウルの都心が溢れかえるほど集まってほしい」とし、太極旗集会の参加を呼び掛けている。