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[インタビュー]「公正社会が生涯の夢 … 既得権の壁飛び越える」

登録:2017-02-02 16:13 修正:2017-02-03 15:36
イ・ジェミョン城南市長

私だってそんな喧嘩好きな人間ではない
巨悪と闘うから国民が私を呼び出した
より根本的な改革のために大統領選出馬

大統領選挙出馬を宣言したイ・ジェミョン城南市長が24日午前、京幾道城南市役所の市長室でハンギョレのインタビューに応えている=城南/キム・テヒョン記者//ハンギョレ新聞社

 彼が掲げる自身のアイデンティティは「既得権と闘う平凡な人々の同志」だった。

 イ・ジェミョン城南(ソンナム)市長は 24日京畿道城南市役所で行なったハンギョレとのインタビューで、「大統領という最高の権力を持てば、より早く、より根本的な改革ができると信じて、大統領選挙に出馬した。大韓民国の真の変化を望む、今は少数だが熱望を持った国民が私の同志だ」と強調した。 彼は「私だってそんな喧嘩好きな人間ではない」と言い、「今は私のように巨悪に向かって恐れを知らずに突進する人間のいない時代なので、私のような者が (国民の)目に留まり、それで国民が地方自治体長にすぎない私を有力な大統領候補として呼び出してくれたのだ」と話した。

- 単刀直入に尋ねる。 どうして大統領になろうとするのか。

「大統領の職位自体を権力、名誉、自身の利益のために追い求める人も多いだろう。 私にとっては、大統領職も城南市長や市民活動家や弁護士のように一つの手段だ。 不公正と不法を清算して、誰も悔しい思いをすることのない公正な社会を作ることが私の生涯の夢だ」

- 出馬宣言の場で家族たちを紹介したのがちょっと特異な感じがした。

「私の夢がそれこそ私個人の政治的欲望ではなく、私の家族を含めた隣人たち、平凡な弱者たちの素朴な熱望そのものであるということを見せたかった。 現実的な理由もあった。 家族の間の不和の問題。“パクサモ(パク・クネを愛する会)の支部長を務めて何としても私を阻んでみせるという三番目の兄がいるが、その兄がどうしてそうなったのかも見せたかった。平凡な家庭に土の匙でも持って生まれていたとしたら、こんな事(兄弟間の不和)があっただろうか。“無匙”(匙もないほど貧しい) の家に私という人間が突出的に現れた結果、家族が困難に遭っていることなどを見せたかった」

中央政治の経験多ければかえって弱点
『汝矣島ガエル』という言葉もあるではないか
トランプもサンダースもアウトサイダーだった

- 大統領に当選するためには政治経験、特に議会と政党経験が多くなければならないように思われるが、イ市長は中央政治の経験があまりにもないという指摘もある。

「中央政治の経験が多ければ摩耗して特性が消えてしまう。 長所より短所として作用する。“汝矣島ガエル”という言葉もあるではないか。 汝矣島(国会)に入りさえすれば、国民を見るのではなく勢力を見て動くようになる。それよりは、国民の中で身近にいながら国民の意思をまともに代弁する人々が脚光を浴びる時代になった。 トランプもサンダースもアウトサイダーであり辺境だ。 国民の目から見れば国民に一番近い存在だ。本当の変化は国民から来るのだ。 真の改革、公正な社会に行くには既得権の壁を飛び越えなければならないのに、政治家同士の妥協でそれが可能か。 野党が多数党になって1年になろうというのに、実際の成果はほぼない。結局は、妥協とか手続きとか、そんなものを重視しすぎた結果だ。国民と一緒に闘って現実の壁を乗り越えるのが政治であり、決まったフレームで合理的に運営するのは官僚の仕事だ。中央政治の経験というものは、今の現実では70年間の積弊清算を進めるべき革命的時期には障害要素になると考える」

- 大統領に当選したら、国政を誰とどのように主導していくつもりか。

「現場の実践家を主に使いたい。例えば労働部長官は労働運動をする労働者、文化部長官は文化活動家の中から(任命しようと思う)。 第3者や論評する人ではなく行動する人々が必要だ」

- ろうそく政局を経る中で支持率が急上昇したが、弾劾案可決後は上昇の勢いが折れた。

「ろうそく集会の局面では過去の積弊清算という闘いをしたのであり、私が国民の意思に符合する主張をしたから“仲間意識”が高かった。 次の段階は大韓民国の未来をどのように作るのかの問題だ。公約履行率など一貫性の原則において私が優位に立つことが可能だと思う。また世論調査と実際の党内予備選挙の結果は異なる場合が多い。予備選は約100万名が投票するだろうが、当為をもって投票する傾向が高い。 積極的支持層では私が優勢だ。 私は野党圏連帯の可能性において高い評価を受けると思う。実際に大統領になった場合何ができるかという側面でも他の候補より有利だ。韓国社会の最大の課題である財閥既得権の横暴を抑制すること、財閥と闘う意思があるのか、抵抗を乗り切る覚悟と剛気があるのかという点で、私が選択される可能性は高い」

成長沈滞の最大の理由は
果実は独占され投資はしないため
イ・ジェミョン式ニューディール成長政策で打破

- 経済政策として提示した「イ・ジェミョンのニューディール成長政策」の核心は何か。

「成長と均衡を同時に達成することだ。 成長が沈滞する最大の理由は、果実が独占され投資へ繋がらないからだ。 成長の果実が構成員に満遍なく配分されればそれが成長の滋養分となる。ドングリが落ちれば地を肥えさせてまたドングリができるではないか。しかし、誰かがさらって行ったらどうなるか。木が成長できない。 第一に、強者・財閥の横暴を抑制して公正なルールを作ること。第二に、労働分野を保護し労働権を強化して、家計の分け前を増やすこと。第三に、過度な超過利益を税金として還収して国民福祉を増進させ、可処分所得を増やすこと。 そうすれば経済は成長する」

- 「文在寅(ムン・ジェイン)大勢論」が拡散している。一部で提起されている「親ムン覇権主義」についてはどう考えるか。

「党の権力を持った側が若干のアドバンテージ(利点)を享受するのは当然だと見るので、批判したくはない。 ただし特定の人を大統領にするために政治をするのではないから、時代が要求しているのは何か、国民の切実な要求が何であるかに集中し、政治家自身の利益は下ろす必要がある。 今の時代の最大課題は既得権を廃止して公正な機会を作ることだ。そのためには巨大な既得権と闘う意志が必要であり、既得権層との距離がなければならないし、縁故・結託関係が少なくなければならない。 そのような点から見て、文在寅元代表が巨大な既得権や社会悪と命をかけて闘うことができる方なのかについては、最近疑問が生じ始めた」

基本所得の公約、野党圏も批判するが
福祉拡大は国家義務であり 国民の権利だ
憲法 1条だけでなく 34条も読んで見よ

- イ・ジェミョン市長の基本所得の公約に対し、与党圏はもちろん野党圏からも批判が出ている。 アン・ヒジョン忠南知事が「国民はタダ飯は望まない。税金を取ってただ分け与える福祉は間違っている」と批判した。

「アン・ヒジョン知事は“共和国”を非常に強調するではないか。憲法の条文を1条だけ読んだのかも知れないが、34条まで読んで見るようお勧めしたい。憲法第34条第2項には『国家は国民の福祉増進のために努力しなければならない』と書かれている。 福祉拡大は国家の義務であり国民の権利だ。 権利者である国民に配分することを分け与えると言うか。 義務を履行することだ。 それが“民主”共和国だ」

ソン・ハンヨン先任記者、オム・ジウォン記者  (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2017-01-25 21:51

https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/780275.html  訳A.K

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