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チョ・ユンソン長官拘束の決定的契機は「枯葉剤戦友会デモ」指示だった

登録:2017-01-26 22:18 修正:2017-01-27 05:57
2014年8月ソウル高裁 
イ・ソッキ当時議員の内乱陰謀容疑に無罪宣告 
枯葉剤戦友会を動員し「司法府糾弾集会」指示 
特検チーム、関連陳述および核心物証を確保 
官製デモ、上層部ラインは大統領と把握し捜査中
文化界ブラックリストの作成を主導した疑いで拘束されたチョ・ユンソン前文体部長官が25日、特検に召喚されている=キム・ジョンヒョ記者//ハンギョレ新聞社

 パク・ヨンス特別検察官チームが、チョ・ユンソン前文化体育部長官が保守団体を動員し「イ・ソッキ内乱陰謀容疑無罪宣告」に対する反発集会を最高裁前で開くよう指示した物証を確保した。これが21日のチョ前長官の拘束に決定的影響を及ぼしたという。特検は、朴大統領が指示を与え、チョ前長官は“官製デモ”の細部日程を定めるなど具体化を履行したと見ている。

 26日、特検チームの説明を総合すれば、チョ前長官は2014年6月の政務首席秘書官就任後の同年8月、ソウル瑞草区(ソチョグ)の最高裁前に保守団体の枯葉剤戦友会を動員し、司法府を糾弾する集会を開かせた。同年8月11日、ソウル高裁は「イ・ソッキ内乱陰謀事件」で、イ・ソッキ元統合進歩党議員の内乱陰謀容疑に対して1審とは異なり無罪を宣告し、国家保安法違反容疑などだけを認め、懲役9年を宣告した。2審宣告の後、枯葉剤戦友会会員1000人あまりは数日にわたり最高裁前で拡声器などを動員して「従北勢力の拡散を防ぐべき司法府が、逆にこれをほう助した」としてデモを行った。

 特検捜査でこの集会はチョ前長官の主導で政務首席室が取り組んで行われたものであることがあらわれたということだ。特検は関連者の陳述だけでなく、これを立証する核心物証も確保したと伝えられた。これは20日に行われたチョ前長官の拘束前被疑者尋問で、チョ前長官の職権乱用および権利行使妨害ならびに偽証の疑惑を立証する主要証拠として活用された。ソウル中央地裁ソン・チャンホ令状専担部長判事は「犯罪の事実が立証され、証拠隠滅の恐れがある」として、チョ前長官の令状を発行した。裁判所は、大統領府が保守団体を動員して裁判所の宣告に反発し司法府を糾弾する集会を開かせたことは深刻な問題だと判断したという。

 特検はさらに、チョ前長官が大統領の指示により保守団体を動員して官製デモを主導的に実行したと見ている。セウォル号惨事以後、政府に対する批判世論が高まると「右派もじっとしていてはならない」として、保守団体を動員して政府側デモを主導した上層部ラインは大統領だという事実を把握した。朴大統領は25日、保守インターネット放送「チョン・キュジェTV」とのインタビューで、チョ前長官の拘束について「贈収賄罪でもないのに拘束までするということは、私個人の考えではあまりに行きすぎた」として不快感を表わした。

 チョ前長官は、政府に批判的な文化芸術家の名簿である「ブラックリスト」だけでなく、「官製デモ」まで主導して大統領の指示をきわめて忠実に履行したために現政権の「シンデレラ」と呼ばれ、常勝疾走した。特にチョ前長官は、大統領にチェ・スンシル氏について言及する時「スンシル姉さん」と呼ぶほどに親密な関係を維持したという。

 チョ前長官は拘束された以後にも、依然として容疑を全面否定しているという。特検のイ・ギュチョル代弁人はこの日、定例ブリーフィングで「供述の態度に特異な変動はないと承知している」と明らかにした。

ソ・ヨンジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/780435.html 韓国語原文入力:2017-01-26 18:44
訳J.S(1570字)

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