パク・ヨンス特別検察官チームが請求した金淇春(キム・ギチュン)元大統領府秘書室長(78)と趙允旋(チョ・ユンソン)文化体育観光部長官(51)に対する拘束令状を裁判所が発行した。
ソウル中央地裁ソン・チャンホ令状専担部長判事は21日未明「犯罪の事実がすべて疎明され、証拠隠滅の恐れがあるため拘束の必要性が認められる」として金元室長と趙長官の令状を発行した。
金元室長と趙長官は文化界ブラックリストの作成と実行を主導した疑い(職権乱用権利行使妨害)で18日、事前拘束令状が請求された。金元室長は2013年8月から2015年2月まで大統領府秘書室長を務め、趙長官は2014年6月から翌年5月まで大統領府政務首席秘書官として在職した。また、特検は2人が「チェ・スンシル国政壟断」に関連した国会の国政調査特別委員会聴聞会でリストの存在を知らないという趣旨で証言したことが偽証に当たると見て、国会での証言・鑑定に対する法律違反嫌疑も適用した。
一時“淇春大院君”と呼ばれ影の実力者に挙げられた金淇春元秘書室長は2006年から朴槿恵(パク・クネ)大統領を補佐し、2013年8月からは大統領秘書室長を歴任した。朴正煕(パク・チョンヒ)大統領時期には中央情報部対共捜査局長、大統領府秘書官を務め、維新憲法の制定にも核心的役割を果した。金元室長は1992年、釜山「チョウォン河豚料理店事件」で地域感情助長発言をして大きな物議をかもしたが、不法盗聴を問題にする戦略で危機を免れ、法律専門家として実力を発揮した。チェ・スンシル ゲート聴聞会などでは、チェ氏とブラックリストに関する質問にすべて知らぬ存ぜぬで一貫し「法律どじょう」という別称を得た。趙允旋長官も現職長官として初めて拘束される不名誉を抱くことになった。
2人に対する逮捕状が揃って発給され、パク・ヨンス特別検察官チームのブラックリスト捜査ははずみをつけることになった。現在までブラックリストに関連して拘束令状が請求され棄却された事例は、キム・サンニュル元教育文化首席秘書官のみだ。ブラックリストの伝達や作成に関与した疑いを受けるキム・ジョンドク前文体部長官、チョン・グァンジュ前文体部1次官とシン・ドンチョル前大統領府政務秘書官は12日に一括拘束された。