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国民年金、「サムスン合併賛成決定」直後に大統領府に直接報告

登録:2017-01-13 23:59 修正:2017-01-14 01:45
特検、朴大統領-イ・ジェヨンの3回の単独面談に注目 
経営権継承-乗馬支援取引の情況を確認 
 
ホン・ワンソン本部長、アン・ジョンボム元首席に「賛成決定」を電話 
アン・ジョンボムも誰かに報告した情況 
 
サムスン役員ら「イ・ジェヨンにはチョン・ユラを報告しなかった」というが 
イ・ジェヨンは遅くとも2015年初めに報告を受けた可能性
サムスン電子のイ・ジェヨン副会長が12日午前、被疑者として召喚されることを受け、ソウル江南区大峙洞にある特検事務室前で正義党の党員らがデモを行っている=共同取材団//ハンギョレ新聞社

 12日、サムスンのイ・ジェヨン副会長を賄賂供与の被疑者として調査したパク・ヨンス特別検察官チームは、イ副会長と朴槿恵(パク・クネ)大統領が2014年9月の最初の単独面談の際、グループ経営権継承に対する援助とチェ・スンシル氏側に対する乗馬支援を交換することを決めたと見ている。特に特検チームは、2015年7月10日に国民年金がサムスン物産・第一毛織の合併に賛成することを決定した直後にこれを大統領府に直接報告した事実に注目している。

 この日特検チームと国民年金の関係者の説明を総合すると、ホン・ワンソン前国民年金基金運用本部長は2015年7月10日、国民年金投資委員会で、サムスン物産・第一毛織に対する合併賛成が決定された直後にこれをアン・ジョンボム元首席秘書官に報告したという。国民年金の関係者は特検の捜査で「ホン本部長がアン元首席秘書官に電話をかけたが受けず、すぐにコールバックがあった」とし、「この時ホン本部長がアン元首席秘書官に賛成決定の事実を報告した」と話した。同関係者は「アン元首席秘書官も誰かに報告する手続きを取ったようだった」と話したと伝えられている。特検はこれを、福祉部だけでなく大統領府が積極的に出て国民年金のサムスン物産合併賛成の決定に関与した情況と見ている。これに先立ってホン前本部長は、特検の捜査で「福祉部から賛成するよう圧力を受けた」と陳述したが、ムン・ヒョンピョ前福祉部長官もこれを指示した事実を認めた。

イ・ジェヨンサムスン電子副会長が12日午前、被疑者身分でソウル大峙洞の特検チーム事務所に出頭すると、パンオルリム(半導体労働者の健康と人権を守る人々)など市民団体の会員らがイ副会長の拘束を求めるプラカードを掲げデモを行っている=共同取材団//ハンギョレ新聞社

 イ・ジェヨン副会長は、国政調査特別委員会聴聞会で「チェ・スンシル氏を2016年2月になって知った」と供述したが、特検チームは虚偽の可能性が高いとみている。特検は、朴大統領が2015年1月のキム・ジョン元文化体育観光部次官に「チョン・ユラを支援せよ」と指示した後、乗馬協会長であるサムスン電子のパク・サンジン社長とキム元次官が四半期ごとに会った事実を確認した。特検は、イ副会長が2015年7月25日の朴大統領との2度目の単独面談を控え、パク社長を通じチョン氏に対する乗馬協会の支援現況の報告を受けたと見ている。当時、パク社長は2泊3日の日程で済州島へ出張に行き、7月22日緊急に呼び戻された後、翌日午前にチェ氏の側近である乗馬協会の専務に会った後、イ副会長にこれを報告した。このような内容はすべてグループのコントロールタワーである未来戦略室が主導したという。イ副会長と朴大統領の2度目の単独面談の後、パク社長はチョン氏が滞在するドイツに出張し、8月26日にはチェ氏所有のドイツの会社である「コレスポーツ」と220億ウォン(約21億4千万円)台の乗馬支援契約を結んだ。

 朴大統領は2度目の単独面談の際、チェ氏の依頼を受けて韓国冬季スポーツ英才センターに対する支援も要求したという。当時ドイツにいたチェ氏は、単独面談を2日後に控えた7月23日に帰国し、姪のチャン・シホ氏に英才センター支援資料を準備するよう指示したという。サムスンは同年10月と昨年1月の2回にわたり、英才センターに16億ウォン(約1億5600万円)あまりを支援し、11月からはミル、Kスポーツ財団に204億ウォン(約19億8600万円)の寄付金を拠出した。

 サムスンは現在、イ副会長はチョン・ユラ氏などの存在を知らず、未来戦略室の高位幹部たちも2015年8月3日になって知るようになったという立場だという。当初サムスンはチェ氏一家の存在を知らないと主張したが、役員たちがやり取りした携帯メッセージを特検が証拠として提示すると、2015年8月には知ったと一歩引いた。最近特検の調査を受けたチェ・ジソン未来戦略室長(副会長)とジャン・チュンギ未来戦略室次長(社長)は「乗馬協会副会長としてドイツに行ってきたサムスン電子のファン・ソンス専務から報告を受けて知った」と述べながらも、「この事実をイ・ジェヨン副会長は知らない方がいいだろうと思い報告しなかった」と供述したという。サムスン物産合併時点以降に知ったという点を挙げて贈賄容疑から逃れ、イ副会長は全く知らなかったと主張し、トップだけは守るという戦略を立てたものとみられる。

チェ・ヒョンジュン、ソ・ヨンジ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/778578.html 韓国語原文入力:2017-01-13 07:24
訳M.C(2263字)

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