1日未明、全羅南道珍島郡(チンドグン)東巨次島(トンコチャド)の山頂の小屋で祭祀の膳が設けられた。未発見者の数に合わせてトックク(雑煮)9つが膳に乗せられた。生前子どもたちが好きだったピザやチキンも忘れずに置かれた。膳に礼をして立ち上がったセウォル号惨事の犠牲者家族と30人あまりの市民は涙をにじませた。
儀式を終えたセウォル号遺族と市民は珍島沖に向かって未発見者9人の名前を一人ずつ呼んだ。「チョ・ウンファ、ホ・ダユン、ナム・ヒョンチョル、パク・ヨンイン(以上、檀園高校生徒)、コ・チャンソク、ヤン・スンジン(以上、檀園高校教師)、クォン・ジェグン、クォン・ヒョクギュ、イ・ヨンスク(以上、一般人未発見者)、早く帰ってきて!」。前日夜、家族らが飛ばした黄色い風灯が消えていった黒い空のかなたから新年初の日の出の光が降り注ぎはじめた。
儀式を終えた遺族たちは「新年の祈願文」を声を合わせて読み上げた。「ろうそく抗争に立ち上がった国民に心から感謝します。2017年は国民の力でセウォル号船体引き揚げと真相糾明を実現する1年となるでしょう。セウォル号の惨事の真実を一つひとつ捜査し、朴槿恵(パク・クネ)と共犯勢力らを全員処罰しなければなりません」と叫んだ。
4.16家族協議会の引き揚げ分科長であり、檀園高校の犠牲者である故チョン・ドンス君の父親チョン・ソンウク氏は「セウォル号が引き揚げられ、未発見者と犠牲者の最後の遺品、犠牲者の身体の一部でもすべて探し出し、一緒に見送られる1年になってほしい」という新年の願いを明らかにした。前日から犠牲者家族と一緒にいた共に民主党のピョ・チャンウォン議員は「政治家たちも気を引き締めなければならない。セウォル号の惨事から2年が過ぎ、セウォル号の真相糾明や船体引き揚げに消極的だったことに申し訳なく思う」とし、「新年には悪人は罪を償い、きれいに大掃除する大韓民国になればよい」と話した。
ソウル光化門(クァンファムン)広場に残った他のセウォル号遺族たちは、1年間真相究明の要求に助力した市民たちに感謝の気持ちを込めて、温かいご飯をふるまった。遺族と4・16連帯など10あまりの市民社会団体やボランティアは、市民たちが行進を終えた31日夜10時30分からソウル鍾路区(チョンノグ)通仁洞(トンインドン)のコーヒー工房前で「深夜食堂」を開き、4160杯のカレーを市民たちに配った。