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特検チーム、帰国を拒むチョン・ユラ氏に逮捕状

登録:2016-12-22 01:57 修正:2016-12-22 07:03
犯罪人引渡拒否の訴訟が提起されれば 
送還が長期化する恐れも 
心理的圧迫カードを総動員  
 
チョン氏をひとまず「起訴中止」してから 
パスポートの無効化手続き踏む方針
チェ・スンシル氏の娘チョン・ユラ氏が昨年7月19日、果川市注岩洞のソウル競馬公園で開かれた馬場馬術競技に参加している=果川/パク・ジョンシク記者//ハンギョレ新聞社

 パク・ヨンス特別検察官チームがチェ・スンシル氏の娘チョン・ユラ氏(20)の韓国国内送還のために多方面から圧迫をかけ始めた。「自由意志による帰国」が最善だが、母親のチェ氏の拘束起訴後に姿をくらまし、(帰国を)引き延ばす戦略を取っていると見られるチョン氏に対し、法的な強制手段と心理的圧迫を同時に加えるという意図だ。

 特検チームは今月20日、梨花女子大学の学事管理を妨害した疑い(業務妨害)などでチョン氏の逮捕状を取り、法務部を通じてドイツの検察に犯罪人引渡しを要請することにした。韓国は欧州評議会の47加盟国と2非加盟国が署名した「犯罪人引渡し条約および刑事司法協力条約」の加盟国だ。法務部国際刑事課側は21日、「特検と緊密に協力している。できるだけ早期にチョン氏の犯罪人引渡し要請の手続きを踏む」と明らかにした。これに先立ち、法務部は特検チームの要請でチェ氏親子の現地財産の凍結、口座・通信の内訳と捜査記録、チョン氏の所在地の追跡などをドイツの検察に要請した状態だ。

 2014年セウォル号事故当時、清海鎮海運のユ・ビョンオン会長の娘、ユ・ソムナ氏の事例が繰り返される恐れがあるという声もあがっている。韓国検察の要請でフランス現地警察に逮捕されたユ氏は、韓国への引き渡しを拒否する訴訟を提起し、2年以上も送還が行われていない。特検チームの関係者は「チョン氏の所在地はある程度推定されている。チョン氏が訴訟を提起する可能性もあるが、心理的圧迫を強めるため、チョン氏をいったん『起訴中止』した後、パスポートを無効化する手続きを踏んでいる」と話した。外交部は、旅券法によって起訴された人や起訴中止された人にパスポートの返納命令を下し、それに応じない場合はパスポートの職権無効処置をとることができる。昨年5月に出産した息子と一緒にいるとみられるチョン氏としては、国外追放に対する不安感が高まらざるを得ない。

 捜査機関には「親と子供を一緒に拘束しない」という一種の不文律がある。しかし、チョン氏の場合は、自ら逮捕および拘束される事由を作り出していると指摘されている。特検チームは、娘のチョン氏に対する強力な捜査を通じて、母親のチェ氏の口を割らせる方針だ。

 一方、同日午前9時、パク・ヨンス特別検察官チームは、ソウル江南区大峙洞の特検事務室で開所式を開き、70日間の捜査に本格着手した。パク特別検察官は「国民の意思をよく理解し、法と原則に則って捜査する」と明らかにした。開所式が行われている間、パク特別検察官は約100人に近い捜査チームを総動員して、国民年金管理公団基金運用本部、保健福祉部など10カ所に対する同時多発家宅捜索を行った。

キム・ナムイル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/775553.html 韓国語原文入力:2016-12-21 17:26
訳H.J(1354字)

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