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サムスン副会長、チェ・スンシルの存在を2015年7月には知っていた

登録:2016-12-21 03:43 修正:2016-12-21 06:48
「今年初めに知った」国会国政調査特別委員会証言が偽証の疑惑 
特検、近くイ副会長をまず召喚調査することを検討
サムスン電子のイ・ジェヨン副会長と チェ・スンシル氏//ハンギョレ新聞社

 サムスン電子のイ・ジェヨン副会長(48)が朴槿恵(パク・クネ)大統領と単独面談した昨年7月に、チェ・スンシル氏が朴槿惠政権の陰の実力者として動いている事実を認知していた情況を特検が把握したことが、20日確認された。イ副会長はこれに先立ち、国会国政調査特別委員会でチェ氏の存在を今年2月に知ったという趣旨で答えたことがあり、偽証疑惑も起こっている。特検はイ副会長がチェ氏と娘のチョン・ユラ氏の支援に対するサムスンの最終意思決定をしたものと見て、近いうちにイ副会長をまず呼び調査する方針だ。

 「朴槿惠-チェ・スンシルゲート」を捜査中のパク・ヨンス特別検察官チームは、検察特別捜査本部のサムスン関連捜査資料を検討した結果、チェ氏が朴大統領の陰の実力者の役割をしているという事実をイ副会長が知った時点が、遅くとも2015年7月頃との暫定結論を下した。イ副会長は6日、国会の国政調査特別委員会に証人として出席し、「チェ氏をいつ知ったのか正確に思い出せませんが、それほど前ではない。2015年7月に朴大統領と面談した際はチェ氏の存在を知らなかったし、今年はじめに知ったようだ」と証言した。国会の証言・鑑定法(14条)は、国会で宣誓した証人または鑑定人が虚偽の供述をした場合、1年以上10年以下の懲役に処するよう定めている。

 特検と検察の関係者などの話を総合すると、イ副会長は2015年7月25日、大統領府で朴大統領と二人きりで会い30~40分にわたって対話を交わした。数日後の7月末にサムスン電子のパク・サンジン社長がすぐにドイツに出国し、チェ氏親子などに会い支援計画を協議したという。特検は2015年初頭、サムスンが大韓乗馬協会会長団を務めた後、同年5月から本格的にチェ氏親子の支援に向けた計画を実行しており、乗馬協会会長であるパク社長はこれに向けたサムスン側実務チーム長を務めたと判断している。

 特検は検察が押収したパク・サンジン社長の携帯電話に保存された通話内訳など各種の資料から、パク社長がチェ氏親子の支援状況と関連してイ副会長と指示および報告の関係にあるという痕跡を発見したと伝えた。特検の関係者は「イ副会長が2015年7月の朴大統領との単独面談後、チェ氏の存在を知ったという事実を立証できる証拠は多い」と明らかにした。

 これに先立ち、検察特別捜査本部はこのような状況を把握し、先月末パク・サンジン社長に対して3回目の召喚を行い、イ副会長の指示および報告の関係について追及する予定だったが、パク社長が急性盲腸炎の手術を理由に召喚・調査の延期を要請し、特検の発足とともに特捜本部の捜査が終了することによってこの部分を調査しなかった。パク社長は検察特捜本部の1、2回目の調査で、自分がチェ氏親子を支援することになった背景はよく分からないという趣旨で供述し、「上部」介入の可能性を示唆した。

 特検は19日とこの日それぞれ、パク・サンジン社長とサムスングループ未来戦略室のチャン・チュンギ社長を相次いで呼び、イ副会長の介入があったかどうかを集中的に追求した。特検の関係者は「パク社長とチャン社長は現在参考人の身分だが、被疑者に身分が変わることもある」と話した。特検はこれらの供述内容を基に、イ副会長を近く召喚し、昨年7月朴大統領と単独面談して交わした対話内容が何なのか、朴大統領の依頼を受けてチェ氏親子の支援を指示したのかどうかなどを確認する方針だ。

 特検は、朴大統領がサムスン側にはチェ氏親子に対する支援を、イ副会長には経営権継承問題に対する政府の包括的な支援を互いにやり取りした可能性が高いと見ている。特検関係者は「昨年7月、政府が国民年金を動員してサムスン物産と第一毛織の合併に賛成する取引を行ったという疑惑は、イ副会長の経営権継承過程の一部に過ぎない。その他にもサムスンの経営権継承を完成するためには、政府が特恵を与えなければならないことが多い」と話した。

 特検が注目する部分は、現在サムスン電子が推進している持株会社への転換を含む支配構造改編だ。サムスン電子が検討している持株会社への転換は、会社を持株会社と事業会社に分割する案だ。サムスン電子が二つの会社に形式上分かれれば、現行法上サムスン電子は保有中の自社株の議決権を行使することができる。現在、イ副会長の有効持分は18%に過ぎないが、ここに13%を超える自社株の議決権を加えると、支配力が大幅に強化される。イ副会長の立場では、金を一銭もかけず支配力を高めることにより経営権継承と複雑な支配構造を終了できるということだ。問題は、そのような作業を順調に進行するには、公正取引法など関連規制法の改定が必須だという点だ。検察関係者は「イ副会長の経営権継承構図を完成するには、政府が援助しなければならないことが一つや二つではない。サムスンがこれと引き換えに朴大統領と何らかの取引をしたのかを調べる必要がある」と話した。

 さらに特検では、サムスンが朴槿恵政権初期からチェ氏の存在を知り、チェ氏親子に早くから「ベッティング」した可能性もあると見ている。サムスンは朴槿恵政権の就任初年度の2013年、政府が「創造経済」を強調した後、関連事業を展開するたびに拍子を合わせてきた。朴大統領は第1番目の国政事業として創造経済を強調し、創造経済革新センターは創造経済の主要な拠点を作る事業という名分で推進された。サムスンは2014年9月、1号センターである大邱(テグ)創造経済革新センターを皮切りにセンター2カ所に400億ウォン(約40億円)を投資した。イ副会長は自らセンターを訪問するほど力を入れていた。検察は創造経済革新センターがチェ氏の手を経た事業である点に注目している。2013年9月10日、チェ氏は創造経済タウンのホームページ試案を朴大統領より20日も前に入手して修正している。

ソ・ヨンジ、キム・チョンピル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力::2016-12-21 05:01

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/775454.html 訳M.C(2602字)

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