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チェ・スンシルがこの国の大統領だった

登録:2016-12-13 01:15 修正:2016-12-13 11:58
携帯電話の録音ファイルとショートメールから 
確認された、「チェ氏が権力序列第1位」
朴槿恵大統領とチェ・スンシル氏//ハンギョレ新聞社

 チェ・スンシル(拘束起訴)が事実上、この国の“大統領”だったのか。

 12日、「チェ・スンシル国政壟断」事件を捜査した検察特別捜査本部の捜査内容によると、検察が確保したチョン・ホソン元秘書官の携帯電話の録音ファイルとショートメールなどから、チェ氏が“権力序列の第1位”であったと確認できる情況が具体的に明らかになった。1カ月も開かれなかった首席秘書官会議が、チェ氏の一言で12時間後に招集されたケースもあった。

チェ・スンシルが設けた2013年首席秘書官会議//ハンギョレ新聞社

 チェ氏は、朴槿恵(パク・クネ)大統領の服とヘアスタイルをコーディネートする役割にとどまらず、国政運営に深く介入していた。2013年11月2日、大統領の欧州歴訪を3日後に控えて開かれた首席秘書官会議が代表的な事例だ。検察が確保した録音ファイルには、チェ氏が2013年10月29~30日にチョン・ホソン元秘書官に電話をかけ悪化した世論に言及し、大統領の歴訪前に記者会見を開くことを指示する内容が含まれていた。これに対し、チョン元秘書官は、(出国前の)記者会見を行った前例はないとしたが、チェ氏は「国務会議を開くか、それが無理なら、大統領府首席秘書官会議でも開くこと」を要求した。チョン元秘書官が躊躇しながら「準備が難しい」と渋ると、チェ氏は「つべこべ言わず、準備しなさい」とチョン元秘書官に指示した。

 当時、「国家情報院の大統領選挙介入コメント」事件で世論が悪化したことを受け、大統領府は毎週月曜日に行っていた首席秘書官会議を4週間中止していた。しかしチェ氏の一言で、12時間後の2013年10月31日午前、実際に大統領府では首席秘書官会議が開かれた。朴大統領はこの場で、国家情報院など国家機関の大統領選介入事件について「法と原則に則って様々な疑惑を明らかにし、必ず責任を問う」という立場を明らかにした。その後、チョン元秘書官は、チェ氏に「やっぱり先生の仰る通りにしてよかった、感謝する」という内容のショートメッセージまで送ったことが分かった。

 また、チョン元秘書官の携帯電話にはチェ氏の大統領府無断出入りを裏付けるショートメッセージなども残っていたことが分かった。今月11日、検察特別捜査本部は、チェ氏が2013年3~11月、大統領府行政官の車を利用して10回以上も大統領府に出入りしたと明らかにしている。

 2014年チョン・ユンフェ文書流出事件当時、パク・グヮンチョン元警正は検察で「我が国の権力序列はチェ・スンシルが1位、チョン・ユンフェが2位、朴大統領は3位に過ぎない」と供述した。検察関係者は「(少なくとも)チェ氏が1位というのは当たっている」として、「チェ氏が事実上の大統領だった。国家を運営していた」とまで話した。

ソ・ヨンジ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/774387.html 韓国語原文入力:2016-12-13 06:48
訳H.J(1163字)

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