キム・ギチュン前大統領秘書室長は7日、2014年セウォル号の惨事当日、朴槿恵(パク・クネ)大統領が執務時間に髪のセットのために時間を浪費した事実を「まったく知らなかった」と主張した。陰の側近であるチェ・スンシル氏(拘束起訴)の国政壟断についても「全く知らなかった。検察で調査してみてくれ」とし、チェ氏の存在を知らなかったと繰り返し主張した。
朴槿恵政権前半期の最高実力者であり「王室長」と呼ばれたキム・ギチュン前室長が、国会で開かれた「朴槿恵-チェ・スンシルゲート」国政調査特別委員会第2回聴聞会に証人として立った。彼は「大統領をちゃんと補佐できず、このような事態が起きた。国民に対して恥ずかしく申し訳ない」と述べながらも、チェ氏の国政壟断幇助・黙認、自分の職権乱用など、集中する疑惑には知らぬ存ぜぬを貫いた。
彼は「秘書室長の指示事項」が書かれた故キム・ヨンハン元大統領府民政首席の業務日誌(いわゆる「備忘録」)について「室長が逐一指示したと見ることはできない。会議に参加した各首席秘書官たちの意見や、作成した方(キム・ヨンハン)の考えが混在していると思う」と否定した。そして憲法裁判所の統合進歩党解散決定時期と結論を事前に知っていたという疑惑についても「完全なデマ」だと主張した。
「国会に呼ばれれば当然出席しなければならない」とし、この日出席しなかったウ・ビョンウ前民政首席秘書官のふるまいを批判したキム前室長は、チェ・スンシル氏を知っているかという質問に「しきりに畳みかけるが、チェ・スンシルを知っていたなら何か連絡をしたり電話の一本でもするのではないか。検察で調査してみれば全てわかるのではないか」と述べた。法律の専門家であるキム前室長のこの日の答弁に対して検察関係者は「特検でキム・ヨンハン元首席の業務日誌の内容をもとに、実際の実行結果を逆追跡すれば、職権乱用の容疑で十分に拘束起訴が可能な事案」だと話した。
第2回聴聞会には、出席対象証人27人のうち13人のみが参加した、文字どおり「半分聴聞会」で始まった。国政調査特別委員会はチェ・スンシル氏(拘束起訴)、ウ・ビョンウ前民政首席秘書官、アン・ボングン前国政広報秘書官、イ・ジェマン前総務秘書官など10人の同行命令状を発付した後、国会警衛らを所在地に行かせたが、午後になって出席した人はチェ氏の姪であるチャン・シホ氏(拘束)だけだった。アン・ジョンボム前政策調整首席秘書官(拘束起訴)、チョン・ホソン前付属秘書官(拘束起訴)もついに出席しなかった。キム・ジョン前文化体育観光部次官(拘束)、チャ・ウンテク前創造経済推進団長(拘束起訴)、コ・ヨンテ前ダブルK理事などは証人として出席したが、互いに責任を押しつけあう答弁をしたり「知らなかった」という答えで一貫した。
キム・ソンテ(セヌリ党)国政調査特別委員会委員長は「不真面目な答弁をしたり欠席した証人については、国会証言鑑定法の国会侮辱罪で告発する」と述べた。国政調査特別委員会は19日に欠席した証人全員を対象とした追加の聴聞会(第5回)を開くことにした。