登録 : 2016.12.03 22:30 修正 : 2016.12.04 08:29

言論労組「キム・ヨンハン備忘録」一部公開 
「統合進歩党解散判決-年内宣告」室長指示 
憲法裁判所長、13日後「年内宣告」表明 
憲法裁判所決定を急ぐことになった背景に疑惑

大統領府、大統領批判に対し「報復」をゴマ粒指示
タイビンベル、ホン・ソンダムの絵にも逐一対応

 キム・ギチュン前大統領府秘書室長が、2014年憲法裁判所の統合進歩党解散決定に介入したと見られる情況があらわれた。

 全国言論労働組合が2日に一部公開したキム・ヨンハン前大統領府民政首席秘書官の「備忘録」によれば、2014年10月4日の首席秘書官会議に関する内容に、キム・ギチュン室長の指示事項を意味する“長”という文字とともに「統合進歩党解散判決-年内宣告」と書かれている。この備忘録はキム前首席秘書官が大統領府で首席秘書官会議などに参加して記録した一種の業務手帳で、会議はほとんどキム・ギチュン室長が主宰し、時々は朴槿恵(パク・クネ)大統領が直接主宰した場合もある。

 同年10月17日国政監査の昼食会場で、パク・ハンチョル憲法裁判所長は国会議員たち対して解散審判宣告を「今年中にする」と明らかにした。当時、最高裁でイ・ソクキ統合進歩党議員の事件が処理された後にこそ憲法裁判所の解散決定が可能になるという観測が支配的だったので、パク所長の突然の発言は論議を招いた。実際、憲法裁判所はその後一瀉千里に裁判を進め、最高裁の判決が下される前の同年12月19日に裁判官8対1意見で統合進歩党の解散決定を下した。キム前首席秘書官の備忘録は、このように憲法裁判所が急いだ背景にキム・ギチュン前室長がいたのではないかという疑問を抱かせる。

 これ以外にも備忘録には、大統領府が批判的マスコミの報道はもちろん、映画、芸術作品、さらには個人の批判的意見まで全方向的に検閲し、逐一対応を指示していた情況が含まれている。

故キム・ヨンハン元大統領府民政首席秘書官が残した記録の一部。セウォル号の惨事を扱ったドキュメンタリー「ダイビング・ベル」に対応する情況が示されている=出処:全国言論労働組合//ハンギョレ新聞社

 備忘録によれば、キム・ギチュン当時秘書室長を中心に、大統領府がマスコミの報道だけでなく大統領を批判する文化活動まですべて「大統領冒とく」と規定して、事実上検察と警察の捜査を指揮していた情況がそっくりあらわれる。国家機関、与党、保守団体を動員して執行した事例も多数確認された。

 特に、大統領府はセウォル号の惨事と関連した大統領批判に過度な関心を示した。イ・サンホ前文化放送(MBC)記者が制作したドキュメンタリー「ダイビング・ベル」に対する全方位の圧迫と処罰を、釜山(プサン)国際映画祭上映前から執拗に指示したのが代表的だ。備忘録2014年9月5日付には「ダイビング・ベルー教文委(教育文化体育観光委員会)-国政監査場で糾弾要請(シン・ソンボム幹事)」という記録があり、その後、「ダイビング・ベルードキュメンタリー制作放映-その他の罪責(罪を問う)」(9月6日付)、「釜山映画祭-ダイビング・ベルーイ・ヨングァン執行委員長/60億の予算支援」(9月10日付)、「ダイビング・ベル上映することが予想される、捜査」(9月20日付)などの記録が続く。「ダイビング・ベル上映-貸館料など資金源追跡ー実体暴露」(10月22日)という対応策には、キム・ギチュン秘書室長の指示を意味する“長”が表示されている。

 実際この記録通りに、国会教育文化体育観光委員会所属の与党議員らはその年の国政監査で「ダイビング・ベルの上映禁止」を主張し、釜山市は釜山国際映画祭組織委員会に監査を行い、イ・ヨングァン執行委員長を辞任させた。この日記者会見に出席したコ・ヨンジェ韓国独立映画協会代表は「(備忘録通り)『ダイビング・ベル』の配給会社であるシネマダルは内偵を受けた」と証言した。

 朴槿恵大統領をカカシに比喩し風刺した作家のホン・ソンダム氏の掛け絵「セウォルオウォル」が2014年8月に光州(クァンジュ)ビエンナーレで展示される予定だったが、光州市などの反対で取り消されたのにも、大統領府の介入が作用した。この時期の備忘録には「光州ビエンナーレ特別展、光州市長(ユン・チャンヒョン)」(8月6日付)、「光州ビエンナーレー開幕式で掛けないことに―光州市長」(8月8日付)など、大統領府が光州市長を圧迫したと考えられる情況が多数出てくる。特に、8月7日付「ウ・ビョンウチーム、カカシの絵(光州)愛国団体名誉毀損告発」という記録が出てくるが、翌日実際に保守団体がホン氏を名誉毀損で告発した。

 「名誉毀損事犯への厳罰」(8月11日付)、「VIP(大統領)侮辱チャン・ハナ議員-中央地検告発(反国家教育摘発国民連合)」(8月26日付)、「水原市(スウォンシ)ペク・チョンソン議員VIP侮辱の件-懲罰方法を講じる」(9月26日付)、「大統領侮辱のビラ散布の件(警察)ーイ・ビョンハ/建造物侵入擬律の状態、軽犯罪法で即決処理検討」(11月1日付)など、大統領府は大統領を批判する発言の一つひとつに細かに「懲罰」案を議論した。このうち、チャン・ハナ議員に対する対応はキム室長の指示を意味する“長”が表示されており、ビラ散布の件のため「軽犯法の法定刑の上方改定」(11月3日付)まで検討したとみられる。

 批判的なメディアの報道に対する対応もまた別の大きな軸だ。記録によると、「陰の側近」疑惑を提起した時事ジャーナルと日曜ニュースについて、2014年7月、朴大統領を意味する"領"が表示されていて「避けられないという手本を見せるべき」という発言をしたことが分かった。11月、世界日報が「チョン・ユンフェ文書」を報道した後には、「世界日報、税務調査中(?)」(11月26日付)の記録が出てくる。28日には「世界日報攻撃案」とし、「捜査状況に転換/国政調査の不当」などを大きな方向として設定した。12月5日に検察が世界日報を差押捜索する可能性があるという推測が回ったが、備忘録にはすでにその前の12月1~2日、“長”という表示とともに「差押捜索場所-世界日報社」、「差押捜索」などの記録が登場する。

チェ・ウォンヒョン、キム・ウォンチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

故キム・ヨンハン元大統領府民政首席が残した記録の一部。作家のホン・ソンダム氏の作品「セウォルオウォル」に大統領府が対応を議論した痕跡が示されている=出処:全国言論労働組合//ハンギョレ新聞社

韓国語原文入力:2016-12-02 11:44
http://www.hani.co.kr/arti/society/media/773037.html 訳M.C(2830字)

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