1日午後、弾劾訴追案発議の時期を論議するため、国会貴賓食堂で行われた野党3党代表の非公開会談では、外でも聞こえるほどの大声が飛び交った。「前日合意した通り、今日弾劾案を発議しなければならない」という秋美愛(チュ・ミエ)共に民主党代表の話に「そんな約束はしたことがない」と朴智元(パク・チウォン)国民の党非常対策委員長兼院内代表が強く反発した。シム・サンジョン正義党常任代表はこの席で「野党は周りを伺って右往左往せず、今日すぐに弾劾案を発議しなければならない」と秋代表側の主張に加勢したが、朴委員長は「弾劾案が否決されれば、大統領に『免罪符』を与えるだけになりかねない」とし、弾劾案発議を9日に先送りしようと述べた。野党3党の代表は、「1日弾劾案発議、2日弾劾案処理」に合意できず、互いに向けて「遺憾だ」という言葉だけを残した。
朴槿恵(パク・クネ)大統領が「進退を決めてほしい」として国会に投げたボールに当り、野党3党はこの日終日右往左往する姿を見せた。秋美愛代表は協力パートナーである他の野党代表たちとは相談もせず、この日午前に金武星(キム・ムソン)元セヌリ党代表と別途会談し、「大統領の辞退は遅くとも1月末までに行われなければならない」と言い、任期短縮交渉をしたという議論を巻き起こした。秋代表との会見直後、セヌリ党非朴系はこの日の議員総会で退陣時点をめぐる与野党の交渉過程を見守りたいとし、「4月大統領退陣、6月早期大統領選挙」を党論として決めることに賛同した。
すると民主党は議員総会を開き、「2日に採決」を党論として採用した。「2日の採決を最優先で努力するものの、9日の採決もありうる」としていた1日前の立場を急変更した明確な論理は伺えなかった。クム・テソプ代弁人は「9日に非朴系が弾劾に参加するという保障がなく、その間にむしろ説得が難しくなる状況が来る可能性もあるが、国民の党が9日に採決するという根拠が何なのかをもっと明確にすべき」と述べた。
国民の党も右往左往した。朴智元委員長は、金武星元代表が秋代表との会合で、来年4月末に朴大統領の退任が決定されれば弾劾は不要という意見を出したことについて「セヌリ党非朴系の協力がなくては(弾劾案可決が)できない。可決が保障されない発議は無意味だ。弾劾案は発議ではなく、可決が目標」だとし、2日の採決は不可の方針を明らかにした。しかしこのような方針が知られた後、国民の党と所属議員らに非難の電話や携帯ショートメールが殺到するなど否定的な世論が巻き起こると、2日に弾劾案を発議し5日に本会議を開いて処理する案を再び党論として採択した。
国民の党が「5日に採決」案を提案すると、今度は民主党が右往左往した。イ・ジェジョン院内代弁人はこの日夜、議員総会後のブリーフィングで「野党3党が弾劾訴追を一緒にできるようになったのは歓迎すべきことだ。ただし議事日程を決める問題は指導部に一任し、できるだけ早く国民の意思が貫徹されるようにしたい」と明らかにし、提案の受け入れをほのめかした。しかしその後、民主党は「この会見は5日採決案を受け入れるということではなく、5日であれ9日であれ判断を指導部に一任するという意味」と釈明した。正義党は国民の党の提案に肯定的な反応を見せた。
一日中駆け引きに終始した民主党と国民の党は、互いに責任をなすりつけ合った。国民の党関係者は「民主党は焦って弾劾を推し進めたかと思うと、今になって後ろに引いた様子だ」とし、「一体何をしようというのかわからない」と話した。民主党側では「セヌリ党の非朴系の意志が重要だとして9日に採決しようと言い、非朴系の意思が変わったわけでもないのに今度は5日にしようという理由が分からない」と話した。「議題と戦略グループ・ザ・モア」のユン・テゴン政治分析室長は「結局、野党が不確実性に対する恐怖心と相互不信という『野党根性』を振り払えず、こうしたことが起きている」と解釈した。