朴槿惠(パク・クネ)-チェ・スンシルゲートの特別検察官に任命されたパク・ヨンス弁護士は30日、記者団に「国家的に厳しい時に重責を担うことを重く受け止めている。政派的利害関係を考慮せず、法と原則に則って徹底的に捜査する」と所感を明らかにした。彼は、特検の主要捜査対象のウ・ビョンウ前民政首席秘書官との親交が手抜き捜査に繋がりかねないという憂慮の声が上がっていることと関連し、「(捜査に)まったく影響しない。捜査(結果)で明らかになるだろう」と述べた。
パク特別検察官は、朴大統領に対する強制捜査について「捜査してみなければわからない。予断を持って語ることはできない」と話した。
パク特別検察官の最優先任務は100人を超える超大型捜査チームの構成だ。特検法によると、特別検査官は、高等検事長の待遇を受ける特別検察官のほかに、判事・検事・弁護士の経歴を持つ特別検察官補4人(検事長級)や派遣検事20人、弁護士などの経歴を持つ特別捜査官40人(3~5級)、検察・警察・国税庁などの派遣公務員40人など、最大105人(特別検察官を含む)の捜査チームを作ることができる。これまで11回の特検による捜査のうち、2008年初めに李明博(イ・ミョンバク)大統領当選者を調査したBBK特検チーム(特検を含む106人)に次ぐ2番目の規模だ。
今回の特検チームには、かつての最高検察庁中央捜査部を上回る20人の検事が派遣される。一つの検察庁に相当する規模だ。派遣検事が最も多かったBBK特検チーム(10人)の2倍で、検事の数だけを見ると済州(チェジュ)地方検察庁に匹敵する。BBK特検の時は、部長検事級が捜査チーム長を務めていたが、検察内部では「今回の特検の場合、短期間で検事20人を一糸乱れず動かせて多くの捜査対象を同時に暴かなければならない。大きな事件の捜査指揮経験を持つ検事長級が捜査チーム長を務めるべきだ」との指摘もある。
これまで派遣検事は、司法研修院の入学年度と出身地域を考慮して派遣された。一部では、朴大統領を「被疑者」にすることに成功した検察特別捜査本部所属の検事たちを、特検チームに派遣すべきという意見もある。しかし、従来の捜査結果から一歩踏み出すことが特検チームに与えられた"任務"であることから、ミル・Kスポーツ財団強制募金を賄賂容疑ではなく職権乱用と強要と見た検察の判断に関与した検事たちが、これを自ら覆すのは難しいだろうというのが、大方の予想だ。検察関係者は「2013年のチョン・ユンフェ文書流出事件と今年のウ・ビョンウ大統領府民政首席秘書官事件の捜査などに関与したか、または報告・指揮ラインにいた人物も、特検捜査の対象になる可能性があるため、派遣検事から排除されるものとみられる」と話した。
特検法は、特別検察官の任命日から20日以内に捜査チームを構成し、事務室などを確保するように定めているため、本格的な捜査は12月20日頃から始まる見込みだ。