朴槿恵(パク・クネ)大統領の退陣を要求する民心のキャンドルが"松明"へと燃え上がるにつれて、朴大統領が崖っぷちに追い込まれている。今週朴大統領を狙った弾劾や特検、国政調査が本格化するほか、教育部の歴史教科書国定化撤回」と司正ライン辞任など公職社会の離脱により、朴槿恵政権がすでに「職務停止状態」に陥ったという分析もある。
朴大統領は今月4日の国民向け談話で、検察調査と特検の受け入れを約束し、8日には国会を突然訪問して「首相の推薦」を提案するなど、初期キャンドル集会に表れた民心に反応するかに見えたが、それから3週間が過ぎても、事態の収拾と関連した立場を表明していない。むしろ「LCTの不正に対する厳しい措置」を指示し、次官級の人事権を行使するなど、国政復帰に向けて動き始めると共に、検察が今月20日「チェ・スンシルゲート」の中心人物として朴大統領を名指ししたことに対し、捜査結果を「幻想の上に建てられたもの」とか「人格殺人」などと規定しながら、検察の事情聴取の要求さえ黙殺した。その間、朴大統領の退陣を要求する全国キャンドル集会の規模は26日には190万人(主催側推算)に達し、朴大統領の国政遂行に対する支持率は4%に落ち込んだ。
大統領府は今週から本格化する「朴槿恵-チェ・スンシルゲート」の特検と国政調査、弾劾の推進などを控え、もう一度国民に向けたメッセージを発表する案を検討している。しかし、政界と市民社会の退陣要求を受け入れない限り、いかなる内容を盛り込もうと、批判を免れないという点が大統領府を悩ませている。大統領府では、27日午後、ハン・グァンオク秘書室長が首席秘書官会議を開き、朴大統領が国民向け談話や記者会見を通じて、立場を直接明らかにする案を論議したという。参謀たちは、必要性には共感しながらも、方法と時期については意見の一致をみられなかったという。
特検と弾劾政局を控えて、司正ラインの両軸であるキム・ヒョンウン法務部長官とチェ・ジェギョン大統領府民政首席秘書官の進退も不明な状態だ。キム長官とチェ首席秘書官が今月21、22日、それぞれ辞意を表明したが、朴大統領は彼らを引き留めもせず、また受理するか却下するかの決定も下していない。チェ首席秘書官は今月25日にハンギョレと行った電話インタビューでも「(却下されても)国家的に、また大統領のために何が役立つかを考える必要がある」と話した。キム長官とチェ首席の辞意も固いが、朴大統領が彼らを説得しているわけでもなく、辞表もそのままにしている"不思議な"状況が一週間も続いている。
大統領府は、公職社会が組織的に反旗を翻す可能性についても懸念している。教育部が大統領府との調整もなく一方的に発表した「歴史教科書国定化の事実上の撤回」方針は、大統領府に大きな衝撃を与えた。朴大統領が強力に推進した核心政策を、主務省庁が覆したものであり、大統領府はこれを機に公職社会の"遠心力"が加速化することを憂慮している。大統領府はまず、キム・ヒョンウン長官とチェ・ジェギョン首席を"引き留め"司正ラインを安定させてから、特検・弾劾などに本格的に備える方針だという。歴史教科書の国定化についても「撤回ではない」と急いで鎮火に乗り出した。しかし、国政運営の動力を失ったのに続いて、ついに始まった朴槿惠政権の"内部崩壊"を止める道は見つからない状態だ。