大統領府、退陣建議を受けても沈黙
「大統領が決心しなければならない事案」
辞退拒否・弾劾で背水の陣という観測の中
一角では「四面楚歌…決断があるかも」
急迫した時局までを防壁の盾に使用
収拾策を口実に検察調査を三度拒否
チェ・ジェギョン辞表保留は「特検対備」の内心
警察人事など大統領職の実行に意志
セヌリ党の親朴系議員が28日、いわゆる「秩序ある退陣」を朴槿恵(パク・クネ)大統領に建議し、朴大統領の“選択”に関心が集まっている。政界が朴大統領の弾劾手続きに本格的に着手した状況で、朴大統領が今後の政治日程を明らかにして辞退することが最小限の“名誉”を守れる代案として再浮上したのだ。
大統領府はこの日、親朴重鎮の提案と関連して公式の立場を明らかにしなかった。親朴系議員が大統領府のホ・ウォンジェ政務首席秘書官に対して朴大統領に対する“退陣建議”を伝えたが、大統領府内ではこれと関連した参謀らの公式議論はなかったという。大統領府関係者は「大統領の辞任、退陣は参謀が議論したこともなく、また議論できる事案でもない」と話した。ただし、大統領府は朴大統領の去就問題は、憲法的手続きに従うという既存の原則を強調している。朴大統領の違法行為が明確になっていない状況で、朴大統領が自ら退く理由はないということだ。大統領府は20日に検察が「チェ・スンシルゲート」の中間捜査結果を発表し、朴大統領を「被疑者」と規定したことに対して「砂上の楼閣」、「人格殺人」、「政治攻勢」などとして受け入れないことを明らかにした。
朴大統領が今までに見せた対応に照らしてみれば、「憲政中断」は許されないという既存の立場を守り、最後まで「強対強」の対立を継続する可能性が高い。大統領府はこの間「いっそ合法的手続きにより一日も早く論議を決着させてほしい」として弾劾に対し“背水の陣”を敷くなど、辞退要求に強く反発してきた。朴大統領はこの日「時局に対する収拾方案用意」を理由に検察の対面調査要求を最後まで拒否した。4日の国民向け談話で「今回の事態の責任を糾明するにあたって最大限協力する。必要ならば自分も検察の調査に誠実に応じるし、特別検事の捜査についても受け入れる」と約束したが、これを覆して久しい。朴大統領はまた、この日キム・ヒョンウン法務部長官の辞表だけを受理し、チェ・ジェギョン大統領府民政首席秘書官の辞表は保留し、弾劾と特検政局に本格的に備えるという内心を表わした。この日、警察の治安監級人事を断行して再び人事権を行使するなど、大統領職の実行意志も明らかにした。
だが「朴槿恵-チェ・スンシルゲート」特検、国政調査、弾劾などで四面楚歌に置かれた朴大統領が、“決断”を下すかもしれないという観測も提起されている。前日、元国会議長と元首相、宗教界の要人など政治・社会の元老20人余りも「国政空白事態を解消するため朴大統領が来年4月までには下野すべき」として、朴大統領の早期退陣を求めた。与党のある関係者は「元老会合以後、大統領府の気流が若干変わったという」として「朴大統領がついに弾劾案の通過を阻めないと判断するならば、自主的辞退を宣言する可能性もある」と話した。崖っぷちに追い詰められた朴大統領が改憲を通した任期短縮など“名誉退陣”という退路を選ぶこともありうるということだ。
大統領府関係者も前日、元老の「4月以前下野」要求に対して「元老たちが助言をされたので、色々な意見を傾聴している」と明らかにして、その可能性を残している。
チェ・ヘジョン記者 idun@hani.co.kr