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「これがファクトだ」と言った大統領府セウォル号対応の嘘、監査院も確認

登録:2016-11-29 00:19 修正:2016-11-29 16:40
2014年、監査院の監査資料分析 
惨事当日の午前から海洋警察・安保室は 
「船体に乗客のほとんどが残留」と報告 
午後になって犠牲者の数を知ったという 
朴大統領の釈明は嘘であることが判明
2014年4月16日夜、セウォル号が沈没している様子=珍島/キム・ポンギュ先任記者//ハンギョレ新聞社

 大統領府がセウォル号の惨事当日、「相次いだメディアの誤報のため」朴槿恵(パク・クネ)大統領が被害状況の深刻性を午後2時50分に認知したと釈明しているが、これは2014年に作成された監査院の監査文書でも事実ではないことを確認できる。大統領府は最近ホームページに「これがファクトだ」というコーナーを新設し「大統領の7時間」について釈明した。大統領府は「大統領は(惨事の当時)官邸の執務室および構内で30回あまりの報告と指示」を出したが、「メディアの誤報で混乱が繰り返され、午後1時13分にも「370人が救助された」という誤った報告が上がった」と明らかにした。特に大統領府は惨事当日、時間帯別に大統領の執務内容と報告・指示内容を具体的に公開したが、唯一この日午前11時23分の国家安保室の大統領有線報告だけはその内容を明らかにしなかった。大統領府は、朴槿恵大統領が午後2時50分になって国家安保室長から救助人員が370人ではないという事実の訂正報告を受けており、7分後に救助人員の混乱を叱責し、午後3時に中央災害安全対策本部訪問の準備を指示したと明らかにした。大統領はその後5時15分になって中央災害本部を訪問した。

大統領府「セウォル号当日の大統領の7時間の行動」釈明の嘘//ハンギョレ新聞社

 しかし、2014年に共に民主党のイ・チュンソク議員が公開した監査院の「大統領府に対する調査過程および内容」文書によれば、大統領府安保室はセウォル号の惨事当日午前10時52分に海洋警察のホットラインを通じて「(海に)浮いていて救助した人を除けば殆どの乗客が今も船内にいるようだ」という報告を受け、10時52分から11時30分の間に朴大統領に「未救助の人々は行方不明または船体残留の可能性が高い」と報告したとなっている。

 部署に対する監査も実施している。大統領府国家安保室と秘書室は当時、監査院の訪問調査を拒否し、同年5月29日に書面答弁書を提出した。大統領秘書室社会安全秘書官室と国家安保室危機管理センターの行政官などが作成して提出した答弁書(「大統領確認書」)には、「海洋警察庁状況室を通じて、救助されなかった人々が船体内部にいる可能性が高いと報告を受けており、このような内容を当日午前に大統領にも『未救助の人々は船体内部に残留している可能性が高い』という内容の報告をした」と書かれている。

 このため、大統領府が当日午前11時23分に安保室から船体内に未救助の人々が残留している可能性を有線電話で報告を受けたにもかかわらず、これを隠すために意図的にホームページに報告内容を明らかにしなかったという疑惑が提起されている。

 イ・チュンソク議員は「大統領はすでに午前から国民300人が船に閉じ込められているという報告を受けていながら、あれほど長い時間何の措置もしなかっただけでなく、一貫して嘘の釈明を行っている」とし、「今からでも正確な事実を明らかにし、国民に謝罪しなければならない」と話した。

イ・チョンエ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/772341.html 韓国語原文入力:2016-11-28 19:26
訳M.C(1967字)

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