本文に移動

【社説】尹錫悦事件裁判長の不審な携帯電話変更…内乱裁判を任せられるのか

登録:2025-10-01 08:53 修正:2025-10-01 09:34
チ・グィヨン裁判長=ハンギョレ資料写真//ハンギョレ新聞社

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領内乱事件の裁判長であるチ・グィヨン判事が、尹前大統領の拘束取り消し決定の際と、「高級クラブ接待疑惑」が当時野党だった「共に民主党」によって提起された際、2回も携帯電話を替えたという事実が明らかになった。自分に関連した疑惑が提起されるたびに携帯電話を変更していたということだ。チ判事が誰とどんなことで通話したのかを明らかにしない限り、関連疑惑に対する真相究明が不可能な状態だ。にもかかわらず、最高裁は9月30日(に発表した監査結果で)、チ判事の接待疑惑について「職務関連性が認められない」と判断した。最高裁はチ判事と、当時酒席に同席した知人たちの話だけを聞いて、このような結論を下した。最高裁が「身内かばい」のレベルを通り越して、何か他の意図があるのではないかという疑念を抱かせる。

 移動体通信会社が民主党側に提出した資料によると、チ判事は尹前大統領側が拘束取り消し申立てをおこなった2月4日、6年間使ってきた携帯電話を最新モデルに替えており、1カ月後の3月7日に拘束取り消し決定を下した。それから3カ月後、民主党が接待疑惑を提起すると、5月16日に買い替えてから3カ月しか経っていない携帯電話を再び変更した。早朝に5分間隔で2回SIMカードだけを取り替えるなど、一般的な機器変更ではなかったという。チ判事が自分の携帯電話にある通話内訳の中で、隠したいことがあったのではないかと強く疑わざるを得ない。

 ところが、最高裁はこの日、チ判事関連の疑惑について「現在まで確認された事実関係だけでは懲戒理由があるとは考えにくい」と述べた。「同席者は全員、当時チ判事の裁判部が進めていた事件との関わりがなく、同席者がこの10年間に代理人を務めた事件をチ判事が受け持ったこともない」という事実を根拠に挙げた。問題の酒席に参加した後輩弁護士2人とクラブの社長の陳述だけを聞いて下した結論だ。最高裁判所は4カ月もの時間を費やして監査を進めながらも、チ判事に携帯電話の提出を求めなかったものとみられる。このような監査結果に国民が納得できるだろうか。民主党はこの日「チ判事は数回接待を受けた」という情報提供者の陳述を公開し、最高裁の発表内容に真っ向から反論した。最高裁判所として権威を保つべき公式発表は、一日も経たないうちに信頼を失うことになった。

 チョ・ヒデ最高裁長官の司法府に対する国民の信頼は、底抜けに落ちた状態だ。チョ最高裁長官をはじめとする司法府は、自ら起こした問題を自分で解決しなければならない。高位公職者犯罪捜査処は、チ判事疑惑を速やかに捜査し、内乱裁判に対する国民の不安と懸念を払しょくすべきだ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2025-09-30 20:47

関連記事