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チェ・スンシル、「4.1不動産総合対策」も10日前に受け取っていた

登録:2016-11-23 09:57 修正:2016-11-23 12:00
投機需要を刺激した朴政権初の不動産対策 
大統領府秘書官が「細部計画文書」事前に渡す 
チェ氏3姉妹、3000億ウォン台の不動産を保有 
不動産政策関与疑惑まで浮上
朴槿恵政権の陰の実力者疑惑で拘束収監され、11日午前瑞草区ソウル中央地検で取り調べを受けた後拘置所に向かうチェ・スンシル=共同取材写真//ハンギョレ新聞

 姉妹と合せて3000億ウォン(約280億円)台の不動産を保有していると言われるチェ・スンシル氏が、チョン・ホソン前大統領府付属秘書官を通じて国土交通部の不動産政策と細部計画まで事前に受け取っていたことが明らかになった。チェ氏が文化、スポーツ分野を越えて、不動産政策にまで関与したのではないかとの疑惑が浮上している。

 22日、ハンギョレが取材した結果、チョン前秘書官がチェ氏に渡した秘密文書47件のうち、国土部の不動産対策に関連した文書は2件だ。文書を渡した時期は朴槿恵(パク・クネ)政権の初の不動産総合対策である「4.1対策」の発表を10日後に控えた時点だった。2013年3月19日、大統領府でチェ氏に渡した最初の文書は「国土部長官報告案件に対する経済首席室検討意見」だ。ここには国土部長官が懸案報告した不動産主要政策を大統領府経済首席室が検討した内容が含まれている。翌日には不動産政策の細部計画まで含まれた文書がチェ氏に伝えられた。その年の4月1日、国土部は譲渡税と取得税を減免する住宅の基準を大幅に緩和する内容を盛り込んだ不動産総合対策を発表した。

 チェ氏一家は、不動産投資を通じて天文学的な財産を形成したと伝えられている。したがって、チェ氏に流出した不動産政策関連文書が、一家の財産形成にどんな役割をしたのかに関心が集まる。チェ氏を含め姉のチェ・スンドク氏と妹のチェ・スンチョン氏の三人姉妹は、少なくとも3000億ウォン(約280億円)の資産を保有していると伝えられている。姉妹は20~30代から不動産を買い集め富を蓄積した。チェ氏の代表的な不動産は、江南区(カンナムグ)新寺洞(シンサドン)にあるミスンビルで、実取引価額は150億ウォン(約14億円)だ。

 政府が不動産対策を出す前にチェ氏が関連資料を事前に受け取っていたことをめぐり、彼女が不動産政策に影響力を行使し、私的利益を得ていたのではないかとの疑惑も出ている。当時政府が「庶民住宅安定のための不動産総合対策」と呼んだ4.1対策は、実際には不動産長者のための政策だったと評価されている。特に、多住宅所有者に対する譲渡所得税重課税制度の廃止、法人に対する不動産譲渡税追加課税の廃止などは、居住目的の実需要者と投資目的を区分しない特恵だという批判が提起された。

 4.1対策は、不動産景気を支えるために投機需要を刺激する朴槿恵政権の一連の不動産対策の信号弾だった。不動産専門家たちは、この時から住宅価格が再び騰がり、借金をしてでも住宅購入を薦める政策が相次ぎ、家計融資残高が急増し始めたと指摘した。「経済正義実践市民連合不動産監視チーム」のチェ・スンソプ部長は「当時は住居安定対策といえば、主に住宅関連政策が多かった。これによって住宅価格が上昇し、土地価格も上昇したとすれば、不動産を多く持っているチェ氏一家にも結局利益になった筈」と話した。当時政府が出した土地取引許可区域の解除も目につく。土地取引許可区域とは、土地の投機的取引を防止するために一定規模以上の土地取引は市・郡・区庁長の許可を受けるようにした制度だ。土地取引許可区域に指定されれば、事実上土地の売却が難しい。このため江原道平昌郡(ピョンチャングン)一帯に10筆の土地を持っているチェ氏が、土地取引許可区域の解除を推進し、後に平昌郡一帯の土地を売却する際に利益を得ようとしたのではないかという疑惑も出ている。

ソ・ヨンジ、チェ・ヒョンジュン、パン・ジュノ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/771545.html 韓国語原文入力:2016-11-23 08:28
訳J.S(1668字)

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