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「朴大統領に何の過ちがある」 … 極右勢力結集の動き始まる

登録:2016-11-19 07:12 修正:2016-11-21 06:41
極右団体「朴大統領を救え」と結集
14日昼12時「朴正煕大統領99回生誕祭」が開かれた慶尚北道亀尾の朴正煕元大統領生家周辺で、解雇労働者5人が「朴槿惠退陣」デモを始めると、「パクヘモ」(朴槿惠を愛する海兵の会)、「パクサモ」(朴槿恵を愛する会)を名乗る人々が悪口暴言を浴びせている//ハンギョレ新聞社

パクサモ、19日の集会に総動員令
「何としてでも出てきてください」
ママ部隊・イルベなど50団体が参加

SNSにも“希釈”的メッセージ拡散
組織的な書き込みバイト復活の疑いも

 全国民的な「朴槿恵(パク・クネ)大統領退陣」要求に対向して一部の極右団体が応戦集会とデモに乗り出した。ロウソク集会に参加した市民をけなし朴大統領を擁護する文が、高年層を中心にカカオトークなどを通じて拡散されている。 大統領府が朴大統領の退陣要求を拒否して逆攻勢に出た時点に合わせ、外郭団体も組織的な反撃に出たのではないかと見られる。

 極右性向団体である「新しい韓国のための国民行動」は17日午後ソウル駅広場で「大統領下野反対及び国家安保を守る国民大会」を開いた。 主催者側推算4000名余り(警察推算1800名)の参加者たちは「大統領の罪過が客観的に確認される前にマスコミ報道だけをもって人民裁判をしてはならない。所定の任期を全うするのが大統領の憲法的責務である」と主張した。 パクサモ(朴槿惠を愛する会) など朴大統領支持団体はこの19日に大規模集会を予告している。この日は1500余の市民社会団体で構成された「朴槿惠退陣非常国民行動が主催する第4次汎国民行動が開かれる日だ。「大韓民国憲法精神守護のための国民の叫び」というタイトルで開催されるこの集会は、パクサモ、ママ部隊、自由青年連合など50余の保守団体が参加する予定だ。彼らは午後2時にソウル駅で第1次集会を開き、街頭行進後に光化門(クァンファムン)の教保文庫前で第2次集会を持つ予定だと明らかにした。

 パクサモはこの日の集会のために「パクサモ総動員令」を下した。パクサモのホームページで「現在パクサモは誕生以来最大の集会を準備しています。今パクサモが計画している屋外集会は政局の流れを変えることができなくてはなりません」「どんな方法ででも、何としてでも、出てきて下さい。ソウル駅広場が人ではち切れるくらいに集まって下さい」という掲示文を載せて集会参加を督励している。 日刊ベスト貯蔵所(イルベ)など極右コミュニティには「愛国保守も徐々に目覚めつつある」「真の民心を見せてやろう」など19日の集会参加を訴えるメッセージが上って来ている。

 カカオトークなど社会関係網サービス(SNS)では「時局を希釈する」メッセージが拡散している。ソウル城北区に住むC氏は「今月初めにカトリック教会で知り合った人にカカオトークの大規模チャットルームに招待されて入ってみたら、朴大統領を擁護する文が次々上って来た」と言い、「その知人が『メッセージ を周囲にまき散らしてくれ』と要求した」と話した。C氏が受け取った文は「不正の博物館、金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権には、朴槿惠政権の悪口を言う資格なし」「(前政権と比べれば)朴槿惠大統領の個人的不正行為は一つもない」「文化隆盛のためのミル文化財団とKスポーツ財団という公益財団設立を目的として企業から700億ウォンを募金したのだ。ただ、チェ・スンシルが介入して利権を着服したから大統領が非難を浴びているのだ」といった内容だ。C氏は「何でもかんでも朴大統領擁護の文を送ってきて腹が立った。よく知りもしない人たちまでみんな招待して扇動でもするように政治的発言をわんさとするので『礼儀がない、常識がない』と感じた」と不快そうに話した。

 セウォル号犠牲者遺族の“ユミンの父さん”キム・ヨンオ氏が自身のフェイスブックに 「カカオトークのチャットルームに広まっている文」として載せた文には「朴槿惠大統領に何の過ちがあるんです? 独裁をしましたか? 不正腐敗がありますか? チェ・スンシルが釜山貯蓄銀行事件のように庶民のお金でもかすめ取って血の涙を流させましたか? 持てる者からかすめ取ったんだから破廉恥とは言えないんじゃないですか?」として、朴大統領とチェ・スンシル氏を擁護する内容が盛られている。主に高年層のカカオトークを通じて拡散しているメッセージは、ロウソク集会参加市民をけなし △朴大統領の業績を広報する△金大中、盧武鉉政権の不正疑惑を並べる内容だ。また、大韓民国オボイ(父母)連合とママ部隊は「ロウソク集会参加の日当は5万ウォン」というデマを持続的に飛ばしている。

 一角では“書き込みバイト”の再登場という疑惑も提起されている。この14日、あるオンライン記事に「昨日の罪悪を今日罰しないことは、明日の罪悪に勇気を与えること」というフランスの文学者アルベール・カミュの言葉を引用した書き込みが載った。するとこの書き込みの下にそれぞれ違ったIDで「こんな書き込み書いたらデモ虫がブルブル(「頭に来て身をブルブル震わせる」という意味のインターネット用語)震えるだろうね。デモや集会をしても朴槿惠は耳を傾けもしないのに、本当に大規模な集会デモをやる理由をちょっと教えて。大規模なデモや集会をやっても、何も変わっていないのに」という内容の書き込みが同時多発的に上がった。 ネチズンたちはこれについて、組織的な書き込み部隊が世論操作に出たのではないかという疑惑を提起している。聖公会大のキム・ドンチュン教授(社会科学部)は「李明博・朴槿惠政権の下で利益を享受して来た人たちが、利害関係に脅威を感じて動いているものと見える」と指摘した。

コ・ハンソル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2016-11-17 16:45

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/770761.html 原文: 訳A.K

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