政界と市民社会の朴槿恵(パク・クネ)大統領退陣要求が本格化する中、後続の収拾案をめぐり大統領府の苦悩も深刻化している。大統領府は、市民たちの「第3回キャンドル集会」(12日)を控えた今週を政局の行方を分ける「運命の一週間」と見て、野党の説得など追加対策に積極的に乗り出す方針だが、「金秉準(キム・ビョンジュン)首相指名撤回」を要求する野党との認識の違いが大きく、難航が予想される。
韓光玉(ハン・グァンオク)大統領秘書室長は6日午後、大統領府で就任後初の首席秘書官会議を主宰し「(前日)光化門(クァンファムン)広場で見せた国民の峻厳な意思を極めて重く感じている」とし、「今回の事の真相と責任を究明するにあたり、国民がほんの少しの疑心もないよう大統領府秘書室でも最大限協力しなければならない」と述べたと、チョン・ヨングク大統領府報道官が伝えた。朴大統領は4日、対国民談話を通じて「チェ・スンシル国政壟断」の波紋について2回目の謝罪をし、検察や特別検事の捜査を受け入れる意思を明らかにしたが、「チェ・スンシル国政壟断」事態の本質を「特定個人の違法行為」と規定し「第二線への後退」など、権限を下ろすことを拒否し、激しい逆風を招いている。5日、ソウル光化門に市民20万人(主催側推算)が参加したキャンドル集会が開かれるなど、全国各地で朴大統領の退陣を要求するデモが続いており、来る12日にも大規模な集会が予定されている。
これに対し大統領府は、朴大統領が党首会談を通じて野党の指導部に直接会い、金秉準首相候補者の承認を要請し、社会各界の長老たちと会合し助言を求める案など、後続対策に腐心している。韓光玉秘書室長が首席秘書官会議で「一日も早く国政の混乱と空白を防ぎ、政府の本来の機能を早急に回復できるように悲壮な覚悟で業務に取り組まねばならない」と明らかにしたのも、「国政混乱」を前面に掲げ野党を遠回しに圧迫したものとみられる。
朴大統領が直接国会を訪問し、野党指導部と会合する案も話し合われている。セヌリ党のチョン・ジンソク院内代表は同日、「朴大統領が直接国会に来てチョン・セギュン国会議長や与野党の指導部に一緒に会い、真正性を持って解決策を議論しなければならない」と提案した。大統領府は7日、党首会談を正式に提案するものと伝えられているが、野党が「首相指名撤回」を先決条件に掲げており、実現するかどうかは不透明だ。共に民主党はこの日、最高委員会議を開き、金秉準首相候補指名撤回などの要求が先決されなければ党首会談に応じられないという方針を再確認した。
現在のところ、朴大統領も金秉準首相候補者指名を先に撤回する可能性は低いとみられる。ある大統領府の参謀は「朴大統領はすでに金秉準候補者に多くの権限を渡し、首相を通じて挙国内閣を構成することができるという考えが強い」と話した。6日に韓光玉室長が主宰した首席秘書官会議でも、金候補者指名撤回について議論されたが、ひとまず野党を最大限説得することで意見を集約したという。朴大統領は近く金秉準候補者に対する任命同意案を国会に提出する予定だ。また別の関係者は、野党が要求する朴大統領の離党及び挙国中立内閣の構成について、「(大統領の)離党が、事態解決のための主要変数にはならない」と線を引いた。
しかし、野党は大統領の「変化」がなければ対話は不可能だという立場を重ねて明らかにしており、朴大統領が結局、首相指名を撤回し、国会中心の挙国内閣を構成するしかないだろうという観測も出ている。