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怒った市民の「朴槿恵退陣」要求…世論の堤防決壊

登録:2016-11-07 01:28 修正:2016-11-07 08:07
今月5日、ソウル光化門広場で行われた民衆総決起闘争本部が主催した第2次汎国民行動キャンドル集会には、主催側推算で20万人(警察推算4万5千人)、全国のデモに集まった人を合わせると、30万人を超える市民が参加した=カン・チャングヮン記者//ハンギョレ新聞社

「(子供たちに)恥ずべき国を受け継がせるわけにはいかない」

 怒った「普通の市民たち」が街頭に溢れ出た。彼らが叫んだ「退陣」のスローガンは、大統領個人だけでなく、このような体制が成り立つように、沈黙し、協力してきた韓国社会の既得権構造全体に向けられていた。今月5日、ソウル光化門(クァンファムン)広場で行われた民衆総決起闘争本部が主催した第2次汎国民行動のキャンドル集会には、主催側推算で20万人(警察推算で4万5千人)、全国のデモを合わせると、30万人を超える市民が参加した。

 同日、ソウル鍾路(チョンノ)一帯を行進しながら市民が口を揃えて最も多く叫んだスローガンは「朴槿恵(パク・クネ)は辞任せよ」だった。帰宅途中に集会に参加したというキム・ジョンヒョンさん(45・江原道鉄原郡)は「朴槿恵に投票したことが申し訳なくて、反省の意を込めて出てきた。集会は生まれて初めてだ。朴大統領が4日に行った国民に向けた謝罪で、厳しい時代を云々しながら、"感情"に訴えようとしたが、それでは解決にならない。子供でも過ちを犯したら責任を取って退かなければならないことを知っている。朴大統領はいい歳ではないか」と話した。京畿道金浦市(キムポシ)から来たパク・チュンボンさん(53)は「私たちが大学生の時、一生懸命にデモをして民主主義を成し遂げ、もうそれぞれの立場で一生懸命に生きてさえいけば、子供たちに良い国を受け継がせられると思っていたが、希代の詐欺師が現れて、民主主義を破壊した。国民の力で新しい政権を創出し、きちんと韓国社会を建て直さなければならない」と語った。

 今回の国政壟断事態は、権力に寄り添った人たちが韓国社会の政治・経済・文化・教育などすべての分野を掌握している現状を、「生々しく」見せてくれた。「大統領の下野」を超えて「新しい国」を作るきっかけにすべきだという市民の声が高まっているのも、そのためだ。「検察改革」と「社会の両極化の解消」など公正な社会に向けた要求も噴出した。ソウル銅雀区で「銅雀ゴマの葉」というニックネームで活動する50代の女性は「この100年間まともな民主主義には至らなかった。政治権力と企業と検察が一丸となって歪曲させた社会で生きてきた。これから100年もそうさせるわけにはいかない」と話した。社会福祉センターで働くクォン・ミヨンさん(51・京畿道安山市)は「朴大統領が下野してからが、もっと問題だ。国民が直接参加する民主主義、公正な再分配が行われる国を作ることに向けた模索を繰り広げなければならない」と指摘した。

 西江大学現代政治研究所のソ・ボクキョン先任研究委員は「金秉準(キム・ビョンジュン)首相の内定など、大統領なりの収拾策を提示したにもかかわらず、より多くの人たちが集会に参加したのは、それに満足しなかったことを示している」としたうえで、「市民は『朴槿恵退陣』というスローガンを叫んでいるが、広場に集まった多くの人は各自の場所で積もっていた問題が朴槿恵政権の失政によるものという推論に至ったのだ。朴大統領が退けば、これからどうすればいいのかという根本的な問いが本格的に現れるだろう」と予想した。

キム・ジフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/769033.html 韓国語原文入力:2016-11-06 18:17
訳H.J(1540字)

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