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憲政史上初めて現職大統領に対する捜査が可視化

登録:2016-11-03 22:28 修正:2016-11-04 04:39
金秉準・首相候補者「捜査と調査は可能」 
ハン・グァンオク新秘書室長「徹底的に捜査すべきだ」 
検察「調査自体が不可能なわけではない」
朴槿恵大統領/大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 現職の大統領が、憲政史上初めて検察の捜査を受けることになる状況が可視化している。大統領本人に対する捜査を求める世論が高まっているうえに、政府と与党でも調査が必要だという気流が広がっている。朴槿恵(パク・クネ)大統領が早ければ4日にも国民に向けて2回目の謝罪すると共に検察の捜査に応じる考えを明らかにするという見通しも示されている。

 まず、朴槿恵大統領が「リリーフ(ピッチャー)」として登板させた金秉準(キム・ビョンジュン)首相候補者が、大統領の捜査は避けられないという考えを明らかにした。金候補者は3日、ソウル鍾路区にある金融監督院研修院で開かれた記者懇談会で、現職大統領の捜査と関連し、「憲法の規定をめぐり様々な解釈があるが、私は捜査と調査が可能だと考えている」と述べた。彼はさらに、「私が持っている答えは一つだ。大統領を含め、すべての国民は法の前に平等である」と強調し、「ただ、国家元首であるだけに、その手続きや方法においては慎重を期す必要がある」と付け加えた。同日、朴大統領が任命したハン・グァンオク新任大統領秘書室長も、大統領府春秋館で記者団に「明らかなのは、チェ・スンシル事件は徹底的に捜査しなければならないということ」だと述べた。

 キム・ヒョンウン法務部長官も同日、国会予算決算特別委員会全体会議に出席し、「捜査の進み具合によって、真相把握のために必要なら、捜査の必要性を考慮して(大統領自らが捜査を要請するように)提案する」と述べ、朴大統領に対する捜査の可能性を示唆した。

 実際に検察の矛先も次第に朴大統領に向けられている。検察特別捜査本部(本部長イ・ヨンヨル)は、チェ・スンシル氏とアン・ジョンボム元大統領府政策調整首席秘書官の通話内訳と供述などをもとに、朴大統領がチェ氏とミル・Kスポーツ財団の設立を協議してから、直接アン元首席に資金の募金などを指示した可能性も排除していない。朴大統領が資金を集めるために財閥トップらと単独面談した情況まであらわれており、調査の必要性はさらに高まっている。特別捜査本部の関係者は「まだ(大統領に対する調査に)言及する段階ではない」としながらも、「調査自体が不可能なわけではない」と明らかにした。

 大韓民国政府樹立以来11人の大統領が輩出されたが、これまで現職の大統領が捜査を受けた前例はない。現職の大統領の家族や側近が不正に関わって刑事処罰されたケースはあったが、今回問題になった「チェ・スンシル国政介入」事件のように、大統領自らが刑事的論議の中心に立ったことはなかったからだ。大統領府と与党、いずれも朴大統領が検察の取調べを受けなければならないという世論を無視できないのも、そのためだ。

 朴大統領は早ければ4日にも国民に向けた謝罪とともに「捜査要請」を発表するという話は、セヌリ党から出てきた。3日、ハ・テギョン議員が同僚議員たちに「明日の議員総会が午後2時から4時に変更された。その理由は議員総会の前に大統領が捜査を受けると記者会見を行うためだという情報が流れている」という内容の携帯のショートメールを送る場面がメディアのカメラに捉えられた。セヌリ党の李貞鉉(イ・ジョンヒョン)代表も3日の記者懇談会で、「必要なら大統領府や大統領も調査に協力する考えをすでに明らかにしたと聞いている」として、「(直接捜査を受けるべきだと)建議する事案でもないし、建議して進めなければならない状況でもない」と述べた。

 大統領府は、朴大統領の「捜査要請」発表の可能性について、公式の立場を明らかにしなかった。しかし、大統領府のある参謀は「朴大統領が各首席室に『捜査に最大限協力するように』指示した。法理的に朴大統領が捜査対象となるかどうかについては意見が分かれているとはいえ、合理的な決定が下されるだろう」と話し、含みを持たせた。

ソク・ジンファン、ソ・ヨンジ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/768769.html 韓国語原文入力:2016-11-03 21:04
訳H.J(1825字)

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