「私が望む次の大統領、立派な大統領でなくてもいい。ただ、人であればいい。本当に、人でありさえすればいい」
社会から疎外された弱者を対象に人文学の講義を行い「路傍の人文学者」、「乞食教授」、「ホームレス文学者」と呼ばれる作家のチェ・ジュンヨン氏が「私が望む次の大統領」というタイトルの文を掲載し、ネチズンの間で話題になっている。
チェ・ジュンヨン氏は13日、自分のフェイスブックに「私が望む次の大統領、政治ができなくてもいい。常識さえ守ってくれればいい」、「農民の暮らしを保証しなくてもいい。殺したりさえしなければいい」、「側近の不正、根絶までは望んでもいない。独断専行と横暴さえ防げるならいい」という形が繰り返される詩の文体の書き込みを掲載した。
チェ・ジュンヨン氏は雇用、教育、歴史などにも言及し、革新は望んでもいないから、どうかあるものだけでもいじらないでほしいという望みも書いた。さらに「結論は、立派な大統領でなくてもいい。ただ、人であればいい。本当に、人でありさえすればいい」という文章でまとめた。
書き込みを読んだネチズンらは「(チェ氏が描写する)このような指導者を望む」、「人でありさえすればいいという、このような現実をどう理解すべきか」、「能力がちょっと劣っても正直で正道を歩むことを知る人、そうすれば良い人が集まります。大統領があれやこれや全部するわけでもないのに…」などの反応を示している。
チェ・ジュンヨン氏は2000年に文化日報の新春文芸に登場した。2005年にホームレスの人々を対象に人文学講座を始めて以来、刑務所や大学、図書館、企業などで招待1位に選ばれる大衆の講演家だ。「チェ・ジュンヨンの本こだわり」、「欠乏を楽しめ」などの本も書いた。政府が政治的検閲をし創作支援対象から排除した文化・芸術人名簿である別名「大統領府ブラックリスト」の9473人にも含まれている。
以下は文章全文
私が望む次の大統領。
政治、できなくてもいい。常識さえ守ってくれればいい。
経済、わからなくてもいい。邪魔にさえならなければいい。
安保、わからなくてもいい。悪用さえしなければいい。
文化、隆盛しなくてもいい。いじりさえしなければいい。
外交、できなくてもいい。恥さらしの行いさえしなければいい。
雇用、増やさなくてもいい。あるものだけを守ればいい。
企業、支援しなくてもいい。「タカリ」さえしなければいい。
税金、削減してくれなくてもいい。無駄なところに使いさえしなければいい。
歴史、よくわからなくてもいい。画一化さえしなければいい。
科学、ノーベル賞取れなくてもいい。干渉さえしなければいい。
人権、伸ばそうとしなくてもいい。蹂躙さえしなければいい。
教育、革新できなくてもいい。差別なくご飯を食べさせてくれさえすればいい。
慰安婦、解決できなくてもいい。屈辱の合意などしなければいい。
市民社会、理解できなくてもいい。利敵団体とさえ見なければいい。
労働、関心なくてもいい。不法解雇などしなければいい。
農民、暮らしを保証しなくてもいい。殺しさえしなければいい。
公職綱紀、正しくできなくてもいい。引っ掻き回しさえさえしなければいい。
親戚姻戚の管理、ゆるくてもいい。横行さえしなければいい。
側近の不正、根絶までは望んでもいない。独断専行と横暴さえ防げたらいい。
人事、公平でなくてもいい。不正の百貨店でさえなければいい。
弁舌、流麗でなくてもいい。わかるように喋りさえすればいい。
結論。
立派な大統領でなくてもいい。ただ、人であればいい。本当に、人でありさえすればいい。