イ・ジュンギュ駐日大使が5日、日本軍「慰安婦」被害者に「謝罪の手紙など追加的な感性的処置を期待する」という韓国の要求を、「毛頭考えていない」として拒否した安倍晋三首相の発言について、明確な評価を避けた。
イ大使は同日、東京の韓国大使館で開かれた国政監査で、安倍首相の発言が「一国の首相の国会での公式発言としては、最小限の品格も備えていない不適切な発言ではないか」とする共に民主党のパク・ビョンソク議員の質疑に対し、「日本に現地駐在する大使として、その発言の具体的な表現については言及を控えたい」と答えた。イ大使はまた、韓国政府が謝罪の手紙などを要求する前に駐日大使館と意思疎通を行ったかを尋ねられ、「謝罪の手紙は望ましい要求だが、私たち(駐日大使館側)との事前協議はなかった」と答えた。イ大使は、日本政府が拠出した10億円の資金が慰労金なのか、それともか賠償金なのかを尋ねるカン・チャンイル議員(共に民主党)の質疑には最後まで答弁しなかった。
同日の国政監査では、安倍首相の「毛頭考えてない」との発言に対する糾弾が相次いだ。ムン・ヒサン議員(共に民主党)は「被害者ハルモニ(おばあさん)宛に手紙を一通送る問題について、一国の首相がそのような(毛頭のような)表現を使ってはならない。12・28合意以降、日本は次第に頑なになっており、私たちは何かに怯えているように縮こまっている。加害者と被害者が入れ替わった状況」だと指摘した。ソ・チョンウォン議員(セヌリ党)も「安倍首相のこのような発言は、韓国国民に針で胸を刺されているような痛みを与えた。非常に不適切な発言だ。(駐日)大使館側が日本政府にこのような憂慮を伝えてほしい」と述べた。ユン・サンヒョン議員(セヌリ党)は、「政府が安倍首相に謝罪の手紙を書いてもらうことを政府の(公式)立場にしなければならない」と要求した。
イ大使は韓日間の最大の懸案である情報保護協定(GSOMIA)の締結については、肯定的な見解を示した。イ大使は「国益の観点から冷静に判断し、必要ならば国民の理解を得て推進する方向で考えている。大使館は、政府の方針が決まり次第、(それに伴う)役割を果たす準備をしている」と述べた。大使館のキム・ギホ国防武官も「基本的に国防部は(情報保護協定の締結が)必要であると判断している」と答弁した。