6カ月前、正社員のウェブデザイナーとして就職したHさん(26) は月40万ウォン(約3万7000円)の家賃を払っている。月給140万ウォン(約13万円)のうち30%近い金額だ。Hさんは2年前、両親がくれた500万ウォン(約46万円)を持って、職を求めてソウルに来た。保証金500万ウォン以下の部屋を探したが、家賃40万〜50万ウォン(約4万6000円)がそれでも割安な方だった。結局、永登浦(ヨンドゥンポ)区で保証金300万ウォン、家賃40万ウォンの部屋を借りた。16平方メートルのワンルームだ。毎月3.3平方メートル当たり8万2500ウォン(約7600円)を払っていることになる。
Hさんは、隣の建物が近すぎて窓を開けて換気しにくいという点以外は、今住んでいるワンルームに大きな不満はない。しかし、家賃を払うために貯金ができないことが常に不安だ。Hさんは「まとまったお金があって保証金を上積みすれば家賃を下げることができるのに…このままでは貯蓄する余裕がなく、結婚する時に問題になりそうだ」と話した。
Hさんのように保証金にするまとまったお金がない若者たちは、それなりに資産を持つ上の世代より43%も高い家賃を負担していることが分かった。国会国土交通委員会所属の共に民主党のイ・ウォンウク議員がソウル市から受け取り11日に公開した資料「ソウル市自治区別家賃調査結果分析」によると、家賃世帯のうち若者層(19〜29歳)が毎月払う家賃は、3.3平方メートル当たり7万6千ウォン(約7千円)であることが分かった。5万3千ウォン(約4900円)を払っている30代以上の上の世代よりも43%(2万3千ウォン=約2100円)も多く負担していることになる。
世帯当たり若者が払う保証金は1507万ウォン(約140万円)で、他の世代(2564万ウォン=約237万円)に比べて1000万ウォン以上少なかった。単位面積(3.3平方メートル)に換算すると、若者層は236万ウォン(約21万7900円)、上の世代は243万ウォン(約22万4400円)に相当する。資産がないため保証金は安い代わりに、はるかに高い家賃を支払わなければならない若者層の悲哀がそのまま読み取れる内容だ。
地域別では、江南(カンナム)、瑞草(ソチョ)、松坡(ソンパ)、江東(カンドン)区が属する東南圏に居住する若者は、平均保証金1053万ウォン(約97万2300円)で家賃58万ウォン(約5万3600円)の賃貸住宅に住むため、住居費の負担が最も大きかった。都心圏(鍾路(チョンノ)、龍山(ヨンサン)、中区(チュング))に住む若者は、保証金1382万ウォン(約127万6千円)で家賃49万ウォン(約4万5千円)、西北圏(麻浦(マポ)・西大門(ソデムン)など)は保証金1285万ウォン(約118万6500円)で家賃45万ウォン(約4万1600円)だった。非若者層はオフィスビルが集中する都心圏を除く全ての圏域で、若者層よりも家賃が少なかった。
若者層と非若者層の家賃の差が一番大きかったのは西大門区だった。若者層の家賃は3.3平方メートル当たり8万9千円(約8200円)で、非若者層(3万3000ウォン=約3000円)よりおよそ2.7倍も高かった。自治区ごとに伝貰(チョンセ・まとめ払いし契約終了時に返還される賃貸制度)と月貰(ウォルセ・月払いの家賃制度) の転換率(今年第2四半期基準)を適用し、純粋月貰(家賃)に換算した結果だ。
代表的な若者の居住地である西大門区と冠岳(クァンアク)区の3.3平方メートル当たりの純粋家賃を居住タイプ別に見ると、考試院(コシウォン)が10万6千ウォン(約9800円)、オフィステルが8万3千(約7700円)〜8万6千ウォン(約7900円)、一軒家・多世帯住宅が6万6千(約6000円)〜8万9千ウォン(約8200円)という水準だった。若者層が負担する純粋家賃が最も高い地域は城東(ソンドン)区であり、3.3平方メートル当たり9万2千ウォン(約8500円)を超えた。これは最も安い中浪(チュンラン)区(3.3平方メートル当たり4万ウォン=約3700円)の2倍を超える水準だ。イ・ウォンウク議員は「まとまったお金がない若者世代は、大人たちに比べて低い保証金の劣悪な住居環境に住み、家賃はむしろ多く払っている。若者の住居の現実を考慮した対策作りが急がれる」と話した。
これに対してソウル市のキム・ヨンギョン伝・月貰チーム長は「今回調査した家賃資料を根拠に、若者世代の住居費負担軽減など住居脆弱階層のための政策を作っていく」と明らかにした。