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韓国首都圏の住宅賃貸価格高騰で庶民の負債増える

登録:2016-03-30 01:49 修正:2016-03-30 15:45
保証金貸し切り住宅価格が倍以上に 
保証金ローンで賃貸住宅に入居
ソウルのマンションの傳貰価格が初めて4億ウォン台に入った。KB国民銀行が29日発表した3月の全国住宅価格動向調査結果では今月のソウルの平均傳貰価格は4億244万ウォン。この日の午後、ソウル江南の不動産仲介業者が示した価格情報は、こうした状況をよく示している/聯合ニュース

ローンで家賃払う 
2月の増加額1年間で34%も急増 

ソウルの5区で傳貰価率が80%を上回る 
11区で年内に80%超える見込み 
月払い家賃の割合も40%台を目前に 
需給の不均衡で傳貰乱が再燃

 平均不動産費用の統計が初めて作成された2011年6月以来、全国主要地域のマンションの傳貰(チョンセ:家賃の代わりに住宅価格の半額以上の保証金を支払う住宅賃貸制度)価は倍近く上昇したが、庶民の家計所得は小幅な増えしかなく、住宅費用の負担が大きくなっている。同期間中に(賃貸住宅における)月払い家賃の割合が急激に拡大したのも、住居費の負担を増大させた。

最近5年間の主な地域でのマンション平均傳貰価格の変動(資料:KB国民銀行、単位:万ゥン)//ハンギョレ新聞社

 29日に発表された統計庁の家計動向調査によると、全国の2人以上の世帯の月収は、2011年に384万ウォン(約37万5000円)だったのが、昨年は437万ウォン(約42万6000円)で、13.8%の増加にとどまった。過去5年間、主要な地域での平均の傳貰価が多いもので2億ウォン(約1951万3000円)近く跳ね上がったことを考えると、庶民が銀行から「傳貰ローン」などの負債を抱えなければ、上昇分を支払うのが難しくなったものとみられる。

 実際に銀行の傳貰資金融資も急増した。KB国民、新韓、ウリ、NH農協の4大銀行の2月の傳貰ローンの残高(住宅都市基金傳貰ローンを除く)は、20兆3888億ウォン(約1兆9892億円)で、1月末の19兆7647億ウォン(約1721億7000万円)より6241億ウォン(約608億9000万円)増えた。 1年前の昨年2月の増加額(4655億ウォン=約474億6000万円)より34%も急増した。ローンの残高は、昨年12月に6173億ウォン(約602億3000万円)に急激に増えてから、今年1月には4596億ウォン(約448億4000万円)に増加幅が減少したが、2月に再び大幅な増加に転じた。引っ越しシーズンを控えて傳貰価が急激に上昇したためと見られる。

 傳貰価の上昇でマンションの売買価格における傳貰価の割合(傳貰価率)が80%を上回る地域も急速に増えている。「不動産114」の集計によると、ソウルの25区のうち城北区(83.1%)、東大門区(80.8%)、冠岳区(80.7%)、中浪区(80.1%)、銅雀区(80.0%)の5か所は今月、現在の傳貰価率が80%を超えた。不動産114は、最近の推移からして、ソウルでは年内に11区が追加で傳貰価率80%を突破するものと予想している。これにより、「一文なし傳貰」(退去する際に返してもらう保証金をローンの返済に当てること)の懸念はより大きくなった。

世帯当たりの月収, 労働者の給料,最低時給の変化//ハンギョレ新聞社

 低金利の影響で、傳貰と月払いの家賃の取引で後者が占める割合は急速に増加してきた。ソウル市が運営するソウル不動産情報広場の資料によると、ソウルのマンション取引のうち、月払いの家賃の割合は、2011年3月16.9%にとどまったが、5年が過ぎた今年3月現在(1〜28日基準)は38.4%まで急増したことが分かった。昨年3月(31.2%)に30%を上回っており、今年は40%台への進入を目前にしている。

 不動産業界では、昨年末から今年2月までにしばらく落ち着きを見せていた“傳貰乱”が、最近さらに進んでいるのは、需給の不均衡が再び大きくなったためと見ている。月払いの家賃への切り替えが加速したことで、傳貰の不足が続いているにもかかわらず、住宅の供給過剰に伴うマンション売買価格の下落への不安まで重なり、傳貰への需要が増えたのだ。NH投資証券のキム・ギュジョン不動産研究委員は、「最近の売買市場は萎縮したが、傳貰と月払いの家賃の取引量は引っ越しシーズンを迎え、急速に増えている。特に集合マンションは、多世帯住宅(主に複数階戸建ての賃貸住宅)や連立住宅(低層マンション)より傳貰賃貸物件の品薄状態が強く、傳貰価格の上昇はこれからも続くだろう」と予想した。

チェ・ジョンフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-03-29 20:30

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/737414.html 訳H.J

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