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腐敗清算への第一歩…28日から不正請託と金品授受等の禁止に関する法律施行

登録:2016-09-28 05:17 修正:2016-09-28 08:32
教師にコーヒー一杯もおごってはならない 
手術・入院早くしてほしいと頼むのも禁止 
請託や金品提供をした人も処罰受ける
「不正の請託と金品などの授受の禁止に関する法律」(いわゆる金英蘭法)の施行を2日後に控えた26日、ソウル光化門のあるレストランのメニュー。このレストランは一人当たり3万ウォン以下のメニューには「金英蘭」と書かれた丸いマークを付けた/聯合ニュース

 不正請託と金品授受等の禁止に関する法律(いわゆる「金英蘭法」)が28日から実施され、大韓民国の請託文化、接待文化に一大変化が始まるとみられる。金英蘭法の対象となるのは公務員、教職員、報道関係者とその配偶者で、400万人程度と推算されるが、実際に適用される現場は学校、洞事務所、病院など、市民の日常生活と密接にかかわっているところが多い。事実上、大韓民国5千万人の暮らしが変わると言っても過言ではない。

 高校生と小学生の子供を持つキム・スンミさん(48)は「学校に相談しに行く時は、『何か買って行った方がいいのでは』といつも悩んで、負担に思っていたが、もう飲料水一本でも買えないので悩む必要もなくなってうれしい」と話した。金英蘭法は、保護者が担任教師にコーヒー一杯をおごることも禁止している。このような関係については、金英蘭法施行令のいわゆる「3・5・10規定」(円滑な職務遂行や社交のための場合、例外的に食事代3万ウォン(約2700円)、プレゼント代5万ウォン(約4600円)、慶弔費10万ウォン(約9000円)まで)も適用されない。金英蘭法の主務省庁である国民権益委員会の関係者は、「父母は生徒の成績、遂行評価など、教師の職務と直接関連のある関係者」としたうえで、「父母が教師に贈るプレゼントは、特別な事情がないかぎり、社交などの行為と見ることができないため、たとえ小さなものでも認められない」と指摘した。

 教師だけでなく、中央省庁の公務員、自治体の公務員、判事、検事、警察官など、すべての公務員に接する時は、核心的な二つの点を守らなければならない。第一に、許認可業務や人事への介入、成績の処理、捜査・裁判など法が定めた14の業務について、不正に請託してはならない。例えば、学生生活記録簿に自分の子どもの特記事項を特別によく書いてほしいと頼むことは、金品を提供しなくとも、不正請託と見なされる。第二に、公職者に現金、食事、贈り物などの金品を提供してはならない。「3・5・10規定」があっても、教師と父母、警察と捜査当事者など、直接的な職務関連性がある関係についてはこれも適用されない。この二つに違反した場合、要請や金品を受け取った公職者だけでなく、依頼者や金品を提供した人も処罰を受けることになる。

 病院に行く際、外来診療や入院、手術などの順番を繰り上げてほしいと頼むのも、禁止される。国立病院と地方自治体が建てた病院、大学病院などの医療陣は、全員が金英蘭法の適用を受けるからだ。患者や保護者が、これらの病院の医療陣に感謝の気持ちを表すためにプレゼントを渡すことも、金英蘭法の基準に従わなければならない。これまで一部の大学では、大学院生が論文審査を受けた後、担当教官を高級飲食店でもてなし、一種の「車代」まで提供する慣行があったが、これも制限を受けることになる。

 2016年9月28日、大韓民国社会が誤った慣行と腐敗を清算する第一歩を踏み出した。

キム・ギョンウク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-09-27 21:52

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/763062.html 訳H.J(1370字)

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