国連総会出席のために米国ニューヨークを訪問している政府高位当局者が22日(現地時間)、「(北朝鮮は)常習的に犯罪を犯し、殺人を続けると言っているのに、その被害を受ける人たちが『早く対話によって被害を受けないようにすべき』などと言うならば、その犯罪者はどう考えると思うか」と述べた。
政府高位当局者はこの日の韓国特派員らとの懇談会で「制裁とともに対話を推進する意向はあるか」という質問に対してこのように話し、「(犯罪者は)『いくら悪事をはたらいても対話すれば済む』と考えるだろう。(北朝鮮が)過去に悪事をはたらく度に対話で応答していたら、誤った行動に対して報償するようなもの」と主張した。
政府の高位当局者が北朝鮮を「殺人者」に比喩するのは度が過ぎているだけでなく、朴槿恵(パク・クネ))政権の対北朝鮮政策が、北朝鮮の意図に対する冷静な分析よりも感情的対応のレベルで行われていることを端的に表しているものと解釈される。さらに、韓国政府が北朝鮮と交渉するときには北朝鮮の核開発の速度を最低限に遅らせ、または停止させたという大多数の韓国や米国の専門家らの評価ともずれており、事実の歪曲という指摘を免れない。この当局者は、北朝鮮の核能力の増強を阻止できなかった朴政権の政策失敗については一言も言及しなかった。
同当局者はまた「北朝鮮が約70年ぶりの大洪水で数百人が被害を受け多くの被災者が量産されたにもかかわらず、北朝鮮政権はそのようななかで核実験を強行し、最近は国連に人道的支援を要請している。二重的な態度だ」と批判した。しかし、同当局者は「北朝鮮の核開発のために洪水に対する人道的支援はしないということか」との質問に対しては即答を避けた。
一方、ユン・ビョンセ外交部長官は22日、ニューヨークの国連本部で行った第71回国連総会の基調演説で、北朝鮮の安保理決議の常習違反を取り上げ、「北朝鮮が平和を愛する国連の加盟国としての資格があるか再考しなければならない時期」と述べた。今まで国連加盟国の資格を剥奪された国はないという点から、国際「世論戦」の一環とみられる。ユン長官はまた「北朝鮮の人権侵害についてこれ以上処罰なしに許されてはならず、もはや行動を取らなければならないときだ」と明らかにした。
これに関連し、政府の高位当局者は「北朝鮮の核とミサイルに続き、人権の分野でも(国連の)制裁が具体化する可能性がある」と述べた。同当局者はまた、北朝鮮制裁と関連し「今後米国行政部でかなり強い追加措置があると見込んでいる」と伝えた。
一方、国連総会に出席するためニューヨークを訪問中の北朝鮮のリ・ヨンホ外相は、潘基文(パン・ギムン)国連事務総長との面談を申請していないと伝えられている。