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[インタビュー]マスコミがTHAAD配備で地域エゴ・外部介入説を煽っている

登録:2016-07-18 23:05 修正:2016-07-19 07:08
THAAD配備予定地闘争共同委員長キム・アンス氏
THAADの星州配備に反対して慶尚南道星州郡庁前で断食抗議を続ける星州THAAD配備阻止闘争委員会共同委員長ら//ハンギョレ新聞

「イ・ジェボク共同委員長の『外部の介入』発言は真意と異なる
マイク握った人はすべて星州郡民
生存権かかった問題を一方的に決められたことに反対するのがNIMBYなのか」

 黄教安(ファンギョアン)首相が高高度防衛ミサイル(THAAD<サード>)配備予定地の慶尚北道星州(ソンジュ)を15日に訪問し、生卵と水の入ったペットボトルを投げつけられたことをめぐり、THAAD反対集会に外部勢力が介入した疑惑が持ち上がっていることについて、「星州へのTHAAD配備を阻止するための闘争委員会」(闘争委員会)のキム・アンス共同委員長は「小さな不祥事があっただけなのに、大手メディアが世論を間違った方向に導いている」と主張した。

 キム委員長は17日夕方、慶尚南道星州郡庁でTHAAD配備に反対するキャンドル集会の途中、ハンギョレの記者の取材に応じ、「イ・ジェボク共同委員長がマスコミに話した内容(外部勢力の介入)は真意と異なる」として、当時外部の勢力が集会を主導したわけではなかったと話した。マスコミがTHAAD配備に対する反対を地域エゴと批判していることにも怒りを露わにした。

 闘争委員会は4人の共同委員長が率いており、そのうちの一人のイ・ジェボク共同委員長(元城主郡議会議長)は17日、記者団に「(15日の)暴力事態には外部の人が介入したのも原因の一つ」と述べた。しかし、彼の言う「外部」は「星州郡民であっても闘争組織には参加していない」ことを意味するものであり、15日の事態も星州地域以外の人たちが積極的に主導したわけではないというのが、キム・アンス共同委員長の主張だ。闘争委員会の声明も「一部マスコミでいう外部勢力は確認できておらず、知る由もない」と明らかにした。

 以下はキム・アンス共同委員長との一問一答。

ーイ・ジェボク共同委員長の「外部勢力の介入」発言の真意はどこにあるのでしょうか。

 「(イ委員長から)話を聞いてみたら、『星州群民が石を投げた』と言うと、被害に遭う人がいるかもしれないと思って、そのような言い訳をしたそうだ。とにかく、そのあたりは私たち(闘争委員会)の公式的な立場ではない。『外部勢力』という言葉も、本人(イ委員長)が顔を知らないから、『非常対策委員会と志を共にしない外部勢力』という表現の中で出てきたものだという。星州地域に住む(非常対策委員会以外の)人というのは、結局、星州郡民だ。もちろん、外部から何人か来たかもしれないが、(彼らが)中心となったわけではない。(イ・ジェボク委員長に発言の意味を確認するため、電話インタビューを試みたが、連絡が取れなかった。当初星州のTHAAD配備と関連し、星州郡各界の代表らが集まり「汎郡民非常対策委員会」を組織したが、この機構は黄首相の星州訪問直後の16日に「星州へのTHAAD配備を阻止するための闘争委員会」に切り替わった)

ー外部の人がマイク握って発言したというのは本当でしょうか。

 「100%、この地域(星州)の人だ」

ー当時の衝突状況はどのように発生したのですか。

 「政府発表のわずか2日後なので、非常対策委員会も完全な状態ではなかった。統制が効かず、 当時は突出行動を予想できなかった。首相も説明しに来たのが間違いだった。私たちの言い分を聞きに来るべきだった。非常対策員会は、首相が国を代表する方だから行かせてあげようと、交渉を行った。首相が6時間も警備力もつけず待ち続けたことについては、それなりに感謝している。偶然にも、警察が(首相が)出ようとする直前に投入された」

ー首相への警護がずさんだったという指摘もあります。

 「首相が直接訪問するというのに、(事前に)現れたのは何人かの私服警官だけだった。ポリスラインもなかった。口外すべきではないかもしれないが、私たちが(衝突を誘発させる)トリックに嵌められたと言う人もいる」

ー警察は暴力行為者を捜査すると言っています。

 「マスコミは『検挙する』という表現を使うが、普通、組織的犯罪者を検挙するという。当時は偶発的な状況で、私たちの中にもけがをした人が多い。それらについては、行政訴訟も準備している」

ーマスコミに最も不満なことは何ですか。

 「ニンビー(NIMBY・地域エゴ)と非難されることだ。世論調査でTHAADの朝鮮半島配備に賛成が50%、反対が32%という結果が出たのは、本当に残念だ。今、国民もTHAADに対する理解が十分ではなく、星州郡民もそうだ。民主主義の花は結論よりも過程ではないか。甲論乙駁の議論を戦わせて、有害性が(ないと)検証されれば、受け入れる地域が出る可能性もあるだろう。公聴会も開かず、一方的に通知するのは、我々を無視する仕打ちだ。MIMBYというのは嫌悪施設の建設を妨害することだが、THAADは私たちの命と生存権にかかわる問題だ。これを地域エゴと言えるだろうか。そして、自分の住む地域にTHAAD来なかったからといって、心のうちで快哉を叫ぶ人たちこそ暗黙のNIMBY主義者だ」

星州/イ・ギョンミ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-07-18 10:12

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/752753.html 訳H.J

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