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韓国の大学時間講師、86.9%が「講義で生計維持は困難」

登録:2016-06-27 23:05 修正:2016-06-28 06:49
全国大学院総学生会協議会が記者会見 
「教員地位の保障と賃金引き上げを同時に行うべき」
資料写真//ハンギョレ新聞社

 全国大学院総学生会協議会が、博士課程在学中、修了、または博士学位を取得した新進研究者を対象に代替立法が作られている「時間講師法」に関するアンケート調査を実施した結果、「時間講師を教員として認定すべき」と答えた研究者が90.3%に達することが明らかになった。教育部は「講師制度改善政策諮問委員会」を構成し、2018年まで猶予されている「時間講師法」の代替立法案を準備中で、代替立法案は8月に発表される予定だ。

 全国大学院総学生会協議会は27日午前、ソウル汝矣島(ヨイド)の国会議事堂で記者会見を行い、「新進研究者対象講師法アンケート調査」の結果を発表した。アンケート調査で「講師にも教員の地位が保障されるべきと思うか」という質問に、回答者の圧倒的多数の90.3%が「そう思う」と答えた。全国大学院総学生会協議会は「韓国大学教育協議会は、教員としての地位と賃金引き上げのどちらか一つを選ぶようにアンケート調査を行い、あたかも時間講師が教員の地位を放棄しても賃金引き上げを主張しているかのように世論を誘導した」とし、「完全な教員としての地位を維持するうえで、雇用の安定と適正な賃金が重要な条件になるという点で、教員地位の確保と賃金引き上げは二者択一できる問題ではない」と主張した。

 2011年に国会を通過したが施行が3回も猶予された「時間講師法」(高等教育法改正案)は、教員に講師を含めたものの、雇用保障や年金など実質的な地位保障と関連した教育公務員法、私立学校法、私学年金法では“例外”という但し書き条項を付けて、時間講師の実質的な処遇を改善するのに限界があるという指摘が提起された。

 一方、講義経験のある研究者の86.9%は、「講義による収入は生計維持に適切な水準でない」と答えた。「研究者として最も心配な点」を尋ねる項目では、「賃金と福祉水準があまりに低い」を挙げた回答者(77.4%)が最も多く、「講義できる勤務先を得るのが難しい」(54.7%)、「安定した研究環境が保障されていない」(52.9%)の順だった。

 望ましい講師料の水準としては、時間当り8~10万ウォンと答えた回答者が60.7%で最も多かった。時間当り8~10万ウォンは、2単位の講義を一コマすれば、月に64万ウォン~80万ウォン(6~7万円)になる水準だ。

チン・ミョンソン記者 torani@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/schooling/749849.html 韓国語原文入力:2016-06-27 15:38
訳J.S(1188字)

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