登録 : 2016.06.10 02:10 修正 : 2016.06.10 06:54

強制徴用被害2世在日同胞の裵東録さん

強制徴用2世の裵東録さん=シン・ドンミョン記者

徴用を告発する講演、1千回を超す
八幡製鉄所は昨年、世界文化遺産に登録
4世も帰化せず民族のアイデンティティを固守

 「八幡製鉄所の案内板に1行でもいいから『朝鮮の人たちが強制的に連れてこられ労働していた』という記録を残すことが願いです」

 在日同胞2世の裵東録(ペドンロク)さん(73)は9日、昨年7月にユネスコの世界文化遺産に登録された八幡製鉄所が「日本よる強制徴用の代表的な歴史の現場」と語った。裵さんは、日本の植民地時代に親が福岡県北九州市の八幡製鉄所に強制徴用されたため、日本で生まれて70年以上日本で暮らしている。

 彼は「わが民族をひとつに」蔚山(ウルサン)運動本部の招待で、日本による強制徴用と在日同胞の生活を伝えるために蔚山を訪れ、当日の講演の前に記者懇談会を開いた。

 裵さんは日本の九州地域を中心に良心的な日本の民間団体の活動家たちと共に、日本の朝鮮人強制徴用の歴史の現場を訪ね歩き、当時の朝鮮人がどのように日本に連れて来られ、日本でどのような差別と蔑視、苦しみを経験してきたのかを知らせる活動を行っている。彼は1995年から母親と共に毎週北九州市の小中高校を訪ね、日本の青少年に向けた講演を開いてきた。 2004年に母親が93歳で亡くなってからは、姉と娘などと共に講演を行い、今年2月19日に1000回講演の記録を作った。 20年間、平均1年に50回の講演をこなしてきたのだから、ほぼ毎週欠かさずやってきたことになる。母親は、彼が講演を始める10年前の1986年から講演活動を行ってきた。

 「『日本の地の片隅で私たち同胞がどのように生きてきたのか、爪跡を残さなければならない』というのが母親の口癖だった。軍艦島や八幡製鐵所など、日本の強制徴用の現場が世界文化遺産になったのに、案内板に強制徴用の記録は見当たらない」と語る裵氏は、さらにこう続ける。「日本人の生徒たちには、隣国の歴史を正しく学び、互いに不幸な歴史を繰り返してはならないという気持ちをこめ講演をする。日本人と韓国人が互いに異なることを認識し、偏見を持ったり差別しないことと、隣人として、戦争せずに平和に暮らせる社会を作るために努力しようということに重点を置く」

 裵さんの父親は1940年に慶尚南道陜川(ハプチョン)で農業を営んでいたが、日帝によって八幡製鉄所に強制徴用された。母親も2年後に4人の子供を連れて夫を探しに日本に渡り、翌年の1943年に裵さんが生まれた。日本は第2次世界大戦の戦況が厳しくなると、出産食後の彼の母親まで父が働いていた八幡製鉄所に強制動員し、1日10〜12時間も鉄鉱石を運ぶ重労働をさせた。

 裵さんは「日本は『募集』と言うが、明らかに強制徴用であり、動員だった。製鉄所はもちろん、近隣の炭鉱地域にも数万人の朝鮮人が強制徴用で連れてこられ、ろくに食べることも、寝ることもできず、暴力に加え差別と蔑視に耐えながら、奴隷のように働かされた。当時の製鉄所や炭鉱の強制労働の現場は地獄のようだったという」と言いながら身を震わせた。

 すでに亡くなった親から兄弟姉妹、子供(1男2女、日本在住)、孫に至るまでの4代が日本に帰化せず、私たち(朝鮮半島の人々)の言葉と民族アイデンティティを守り抜いている。彼は「日本が敗戦した後、両親は故国に帰りたい一心だったが、釜山(プサン)に行く船賃がなくて、仕方なく日本に残ることになった。解放された祖国では、南も北も日本に強制的に連れて行かれた同胞の帰還問題には無関心だった。その後、日本で暮らしながらも、民族のアイデンティティを失わないために総連(在日本朝鮮人総聯合会)系朝鮮学校に通っていたことで、1990年代の初めに韓国国籍を取得するまでは、韓国に地を踏むことができなかった」と話した。彼は「日本に強制的に連れて来られ、解放後も故国に戻れず、仕方なく日本に残った人たちを、まるで日本に出稼ぎに来た人のように扱う視線が何よりも嫌だった」と打ち明けた。

 彼は2007年、日本が韓国に犯した戦争犯罪を謝罪する意味で行った国際反戦平和巡礼 「ストーンワーク・イン・コリア2007」のイベントのため、韓国と日本、米国などの民間団体のメンバーと共に「謝罪と友好、平和のために」と刻まれた重さ1トンの碑石を乗せたリヤカーを引きながら、釜山から臨津閣(イムジンガク)まで国土縦断行進を行った。

蔚山/シン・ドンミョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力::2016-06-09 21:01

http://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/747613.html訳H.J

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