登録 : 2016.06.09 07:24 修正 : 2016.06.10 07:01

18年前とほとんど変わらず

ユ・イルホ経済副首相兼企画財政部長官が8日、政府ソウル庁舎のブリーフィングルームで造船・海運業に対する構造調整計画を発表している=キム・ミョンジン記者//ハンギョレ新聞
一日の上限額 4万3千ウォン・最長 8カ月
所得代替率 50% … 先進国は 60~90%
90~240日の受給期間は OECD下位圏
br>あたふたと再就職に追い込まれ
離職率高く雇用基金支出も増加
「多額を長期に」支給すれば求職欲を落とすと言うが
余裕ある求職活動が安定性高める

 「18年経ったけれども、失業給与には大差がありません」

 慶尚南道の統営(トンヨン)にある中型造船会社に勤め、会社が清算手続きを踏む過程で今年2月に職を失ったパク氏(52)は、失業給与として4週間に121万ウォン(約11万2000円)ほど(一日約4万3000ウォン<約4000円)、現在の上限額)を支給されている。パク氏にとっては二度目の失業給与だ。1998年のIMF金融危機の時も、勤めていた小型造船所が倒産して失業者となった。 当時は4週間で98万ウォン(一日3万5000ウォン、当時の上限額)だった。パク氏は「私は子供達がみな独立して妻も働いているから、それでも状況はましな方だが、一人で稼いでいる世帯主は本当に大変だと思う」と言った。彼は「失業者という周りの目も気になるけど、雇用センターで求職活動証明などを要求する際、必要以上に厳密に処理されるので余計に心が安まらない」と言い、「いくらにもならない金だ。むしろもらわない方がましという人も多い」と話す。 大宇(デウ)造船海洋の下請け会社で働き3人の子を育てているキム氏(43)は「失業給与の120余万ウォンでは暮せないということは誰でも分かっていることじゃないか」と問い返し、「金額が少ないので仕方なく雇用センターに隠れてバイトをせざるを得ない」と言った。

■ 金額少なく期間は短い

 失業給与(求職給与)は、失業した労働者に再就職するまで基本的な生計を保障するために支給されるお金だ。 現行の失業給与は失職前の賃金(失職前3カ月間の税込み賃金総額を実労働日数で割った平均賃金)の50%を支給する。 ただし、上限額が一日4万3000ウォン、下限額が最低賃金の90%と決まっている。所得代替率(以前の所得と失業給与の比率)は2013年基準で平均49.9%だ。特に上限額があるため、相対的に高賃金だった労働者は代替率がさらに落ちることになる。

 失業給与を受けられる期間は年齢と雇用保険加入期間によって決まる(最小90日間、最大240日間)。年齢が低いほど、また加入期間が短いほど、受給期間は短くなる。韓国の失業給与は先進国に比べて金額が少なく期間が短い方だ。 ドイツは失職前の賃金の60%を180~720日間支給、スイスは失職前の所得の80%を260~520日、デンマークは平均賃金の90%を730日間支給する。

 昨年雇用労働部が失業者2000人を対象に実施したアンケート調査で、失業給与受給者の46%が失業期間中の主な所得として「同居家族の勤労所得」を挙げたが、失業給与を挙げた人も35.2%にのぼることが分かった。 共稼ぎでない世帯の労働者が失業した場合、それだけ失業給与が重要な生計手段になる。

■ 急いで再就職 … 離職率を高める

 失業給与の低い金額と短い受給期間は、再就職後の離職率を高め、失業給与を再度受給させる結果をもたらす。 失業期間中の生計がまともに保障されないから、自分に合わない仕事でも急いで再就職するようになり、結果的に、また離職することになるというのだ。

 韓国雇用研究院のイ・ビョンヒ先任研究委員が昨年発表した「失業給与支給期間の働き口マッチング効果」によれば、2009年の失業給与受給者中、2013年6月末までに再就職した人の平均勤続期間は、失業給与を90日間受給した人は 8.8カ月だが、240日間受給した人は11カ月だ。 また、3年以内に失業給与を再度受給した人の割合を見てみても、90日間受給した人は23.5%なのに比べ、240日間受給の場合は10.8%にとどまっている。 離職率も90日間の受給者は83.4%だったが、240日間受給した人は72.8%で差が見られた。

■ 政府、雇用保険法改正案提出はしたが…

 政府与党は昨年、いわゆる「労働改革4大法案」の一つとして雇用保険法改正案を国会に提出した。失業給与水準を平均賃金の60%に引き上げ、支給期間も30日増やして最小120日最大270日まで受給できるようにする内容だ。上限額は5万ウォン、下限額は最低賃金の80%に調整された。下限額を低めたのは、今年のように失業給与の上限額が下限額と逆転する現象が起こらないようにするためだ。 これと共に、現在は失職前1年6カ月の間に180日以上働けば失業給与を受給できるが、今後は失職前の2年間に270日以上働いていないと受給できないように資格要件を強化した。 この法案は第19代国会で処理されずに自動廃棄となったが、雇用労働部は 第20代国会で再立法を推進すると明らかにしている。 労働界は支給期間を増やした点は肯定的に評価しているが、資格条件を強化し下限額を低めた部分には反対している。

 韓神(ハンシン)大のチョン・ビョンユ教授(労働経済学)は「失業給与を高額で長期に受給すれば求職と勤労の意欲を落とす効果を生むという意見もあるが、韓国の場合は長期間失業給与を受けながら良い働き口を求めるようにするのが労働市場の安定性を高めるのにより肯定的だ」と指摘した。 韓国労働研究院のファン・ドクスン先任研究委員は「制度自体は離職前の賃金の50%を支給するように設計されているが、事実上失業給与が定額給与化するという問題が生じている」として「制度の趣旨通り所得に比例して給与を支給するのか、それとも韓国社会が支給する最低水準の給与を支給するのか、等についての論議と必要な追加財源はどのように確保するのかについての、社会的合意が必要だ」と述べた。

パク・テウ、チョン・ウンジュ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-05-24 19:52

http://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/745269.html 訳A.K

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