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北朝鮮が大規模な訪中代表団、朝中関係回復を模索

登録:2016-06-01 02:22 修正:2016-06-01 09:28
リ・スヨン党副委員長が訪中

4回目の核実以来、高位級としては初めて
中国に第7回労働党大会の結果を説明する見込み
労働新聞「金正恩委員長が厚い友好に言及」

リ・スヨン北朝鮮労働党政務局副委員長が31日、大規模な代表団を率いて中国の北京を電撃訪問した。写真は北京空港に到着したリ副委員長=北京/共同通信・聯合ニュース

 リ・スヨン北朝鮮労働党中央委員会政務局副委員長が31日、大規模な代表団を率いて中国を公式訪問した。今年1月、北朝鮮の4回目の核実験以降、北朝鮮の高官が中国を訪問したのは今回が初めてのことだ。

 リ副委員長はこの日午前、平壌(ピョンヤン)発の高麗航空機に乗り、午前9時50分頃に北京の首都空港に到着した。貴賓室を経て約30分で空港を後にし、副委員長一行は用意されていた儀典用の車10台とミニバスなどに乗り込み、市内に移動した。代表団の車は、中国側の武装警察などの護衛を受け、国賓の宿泊施設である釣魚台に向かった。

 中国国営の新華通信もリ副委員長一行の訪中事実を確認した。同通信は平壌発の記事で、「リ副委員長が率いる代表団が31日から3日間、中国を訪問する」と伝え、リ副委員長が過去約2年間、外相を務めた人物だと紹介した。

 リ副委員長の訪中は、北朝鮮の第7回労働党大会の結果を中国側に説明し、党大会以降、朝中関係を強化する方法を協議することに目的があると見られる。「党対党」の交流を重視する朝中の間には、主な政治的行事を行ってから、相手側に関連する内容を説明する代表団を派遣するのが慣例になっている。金正恩(キムジョンウン)労働党委員長が「労働党第1書記」に推戴された2012年4月の第4回労働党代表者会の直後にも、キム・ヨンイル党書記が訪中し、胡錦涛・国家主席(当時)と面談している。人民大学の成曉河教授は「リ副委員長は党大会の内容を中国側に伝える伝統的な役割も果たすと思われるが、と同時に中国の高官に会い、様々な懸案を協議するだろう」と予想した。

 リ副委員長訪中前日の30日、朝中が「バスケットボール外交」を誇示したのも、(今回の訪中と)関係しているとも分析される。労働党機関紙の労働新聞は5月30日、金委員長と「中国通」の崔龍海(チェリョンへ)政治局常務委員などが「(北朝鮮の)小白水男子バスケットボールチームと中国オリンピック男子バスケットボールチームとの親善試合を観戦した」と伝えた。金委員長はこの席で「厚い友好」に言及した。 新華社通信はこのニュースを報じ、金委員長を「朝鮮の最高指導者」と称した。今回のバスケットボールの試合が、1970年代の中米間の「ピンポン外交」のように、関係強化の兆候となる可能性もあると見られる。中国側が金委員長の興味に合わせてバスケットボールを提案し、実現された可能性もあるとされる。

 昨年12月、北朝鮮のモランボン楽団の北京公演が公演直前に中止されて以来、朝中関係は急速に冷え込んでおり、中国は1月6日の北朝鮮の4回目の核実験以後、北朝鮮に対する国際社会の制裁措置に参加すると宣言した状態だ。北京の消息筋は「北朝鮮が6カ国協議への復帰などと関連し、何らかの形で前向きな態度を見せればいいのだが、そのようなことが全くない場合は、国際社会に約束をしてしまった中国としては、何もできないだろう」と述べた。

北京/キム・ウェヒョン特派員、キム・ジンチョル、イ・ジェフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-05-31 20:13

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/746242.html 訳H.J

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